Q&A330 高温期が短いです | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 29歳、腹腔鏡下子宮筋腫摘出術後、子宮筋腫再発(15mm)、タイミング治療中
毎月排卵はしているようなのですが、高温期が短いです(10~12日)。クリニックの担当医は 「おそらく排卵が早いだけだと思います」との答えです。高温期の最後の2日くらいは、生理は始まっていないものの、基礎体温が低温期とほぼ変わらないのが心配です。私は口を開けて眠ることはありませんので、口の中が冷えてしまったということはないと思います。このような基礎体温が高温を保てない状態を、どう思われますか。

A 黄体期のホルモン不足があるのだと思いますが、それはホルモンを足せばよくなるという単純な問題ではないと思います。黄体期のホルモンは、排卵後の卵子の袋の抜け殻から出てきます。その細胞は、もとはといえば卵子を育てていた細胞ですので、黄体期のホルモン不足は、その月が良い排卵ではなかったことを間接的に示しています。それでは、どうしたら良くなるかというと、卵子が育つ際の薬剤使用が重要と考えています(俗に言う排卵誘発剤使用)。薬剤を使いたくないかもしれませんが、このような場合には投薬が有効である場合が多くあります。