怒らないんですか? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

「怒らないんですか?」よくきかれます。もちろん私も昔は怒ることもあったのですが、最近は怒る前に、立ち止まります。「怒って、結果が変わるだろうか?」「怒って、良い方向にいくだろうか?」「怒って、デメリットはないだろうか?」もし、怒っても怒らなくても結果が同じで、怒ることによるマイナスが増えるだけなら、ぐっとこらえて怒るのをやめます。「怒る」を「余計な一言」に変えてみると、もっと身近な出来事になります。「余計な一言」を言ったがために、損をしてしまうことは、結構多いと思います。

このような考え方になったのはつい最近です。私も50歳、だいぶ大人になったのかもしれません。「怒る」とか「余計な一言」とは、人間関係においてどのような意味を持つのでしょうか。あれこれ思案しましたが、うまく説明ができませんでした。そんな時、「おこる」と「しかる」の違いを述べた記述に、しっくりくるヒントを見つけました。

「おこる」     「しかる」
感情的に       理性的に
自分のために     相手のために
過去に焦点をあて   未来を見据えて
怒りと勢いで     愛と勇気で
自分の言いたいように 相手に伝わるように
感情に任せて     試行錯誤しながら

「怒る」に一呼吸入れると「しかる」になります。結局、「怒る」や「余計な一言」は、「自分本位」なのです。相手を思いやる気持ちがあれば、怒ったり余計な一言を言ったりできなくなります。夫婦、恋人、親子、職場、学校、部活など、全ての場面にあてはまるでしょう。いろいろな方の失言がちらほらありますが、やはりそれも「自分本位」ゆえのものだと思います。大人ですから、やっぱり立場を考えて、発言しないといけないのではないでしょうか。そのためには、一呼吸入れるのがお勧めです。