☆妊娠を目指す女性にはオランダの食事 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

2012.12.4に「若者の食生活と精子」と題して、「質素倹約タイプ」が「西洋タイプ」より精液所見に望ましいと述べました。その解説の中でオランダの食事がよいというデータもありますとしましたが、本論文は、妊娠を目指す女性にもオランダの食事が良いということを示しています。

Hum Reprod 2012; 27: 2526
要約:2007~2010年にオランダで初回体外受精を行う199組のカップルの食生活を調査しました。質問票はオランダ栄養センターの推奨に基づき、6種類の食物群(フルーツ、野菜、肉、魚、全粒粉、脂肪)に分けたものを用いました。この結果から、PDR(妊娠前食生活リスクスコア)を算出しました。PDRスコアは、食生活が良くなるほど高いスコアになります。女性のPDRと妊娠継続率に有意なオッズ比として1.65を得ました。つまり、女性のPDRスコアが1ポイント増加すると1.65倍の妊娠率になります。

解説:欧米では妊娠しやすさと栄養•食事の関係が、男女共に次第に重視されてきています。特に、オランダの食生活が良いというのはよく知られています。オランダ栄養センターの推奨は、1日4切れ以上の全粒粉パンかシリアル、1日200g以上の野菜、1日2切れ以上のフルーツ、週に3回以上の肉、週に1回以上の魚、油は単飽和脂肪酸か多価不飽和脂肪酸を用いるというものです。男女共、野菜とフルーツが不足しがちだということです。