【追加の追加開催決定!!】寺子屋「シュメールの奇跡」魔術からミシュナー、ヘルメスカバラ主義 | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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*寺子屋「シュメールの奇跡」の追加の追加開催が決定しました!!

寺子屋「シュメールの奇跡」を6月24日(金)19時から開催、そして6月25日(土)は寺子屋「ブラック・スワン ~アルゴリズムの逆襲」の追加開催をします!!



グリム兄弟がバラバラだった民話を集めて整理して、グリム童話集という形でまとめあげたように、ユークリッドはそれまでバラバラであった定理を公理から演繹されるという形でユークリッド幾何学としてまとめあげました。


*グリム兄弟!

ユークリッドがすべての定理を解いたのではなく、彼はすでに存在した定理を鮮やかにまとめあげたことに偉大さがあります。グリム兄弟とユークリッドはその意味では似ています。
どちらもバラバラだったものを撚(よ)り上げて大成したのです。


*ユークリッド(エウクレイデス)ですね、おなじみのアテナイの学堂です。

魔術の歴史を紐解くと、それまで秘密結社や民間の中で細々と伝えられてきた魔術や呪術や錬金術、占星術を日の当たる世界へとまとめあげたのはエリファス・レヴィです。
レヴィは魔術におけるユークリッドのような、童話におけるグリム兄弟のような存在です。

では魔術の源流はどこにあるのか?
もっと言えば宗教の源流はどこにあるのか、と考えたときにレヴィは古代エジプトにあると考えました。
しかしこれはおそらくは目眩ましであったかと思います。


*エリファス・レヴィ。雰囲気がありますね~

エリファス・レヴィの生まれ変わりと称するアレイスター・クロウリー、その弟子であり秘密結社の秘密を白日の下にさらして世界に衝撃を与えたイスラエル・リガルディーはこう書いています。


*リガルディはクロウリーの弟子です。


(引用開始)
多くのカバリストは「生命の樹」と七十八枚のタロットカード、即ち一連の絵による宇宙の表示を関連づけてきた。エリファス・レヴィは、「魔術の歴史」で以下のように書いている。「絶対的な象形文字の科学はその原理に、すべての神が文字であり、すべての文字が概念であり、すべての概念が数字であり、すべての数字が完全なる表象であるアルファベットを持っている。この象形文字のアルファベットとは、モーゼがカバラの大いなる秘密をこめたものであり、著名なるトートの書なのである」
この「著名なる書」のページはまたトートの切り札とも呼ばれ、エジプトの知恵の神である。クール・ド・ジェブラン(パリ、一七八一年)はこう記している。「もし、古代エジプトの書物の、たとえ一冊でも、彼らの優れた図書館を焼きつくした炎からまぬがれ、その書物には、彼らの最も純粋な教理が書かれているという話を耳にすることができたら・・・・・・・付け加えるなら、その書物は何世紀もの間誰にもたやすく手に入れることができたものだとしたら、それは驚くべきことではないだろうか?そして、人々はそれがエジプトのものなどとは疑ってみたこともなく、それを手にしたことがあるともいえない方法で所有していて、それを一ページたりとも解読しようと試みた者とておらず、その深淵な知恵の成果を、それ自体では何の意味もないとっぴな模様とみなしているとしたら、驚くべきことではないだろうか?・・・・・・・しかしこれは真実なのだ・・・・・・・一言でいえば、その書物とは一組のタロットカードなのである。」
(イスラエル・リガルディ「柘榴の園」)

タロットカードが古代エジプトのトート神の書であり、それは焚書や散逸を恐れるためにカードゲームの形で提供されているというのは「驚くべきこと」です。

というか、そんなバカなという話しでしかありません。

クール・ド・ジェブラン自身は特段歴史的なエビデンスがあるわけではなく、直感としてタロットが古代エジプトの叡智に見えたそうです。

Wikipediaにはこうあります。


It was his immediate perception, the first time he saw the Tarot deck, that it held the secrets of the Egyptians.



タロットカード=エジプトのトートの書

という話には夢がありますねw
(夢でしかないと思いますが)

しかし魔術の源流とも言えるべきものは、第一にキリスト教神秘主義であり、そしてカバラです。カバラはユダヤ教神秘主義で、中世においてすたれてしまったキリスト教に対してクリスチャンからみたらユダヤ教カバラは魅力的に見えたのではないかと思います。
そこには魔術的な力が宿るからです。

我々もユダヤ教には漠然と魔術的な力が宿っているように思っています。

たとえばマルクス、フロイト、アインシュタインという現代を切り拓いた偉人3名はユダヤ人です。
スピノザはユダヤ人であり、フェイスブックのザッカーバーグもユダヤ人です。


*マルクス!!!


あまり民族で人を判断するのは上品とは言えませんが、少し調べてみると世界に影響を与えたユダヤ人が多いことに驚かされます。

この魔術的な力の源泉は何かと言えば、遺伝子の問題を考えなければ、おそらくはミシュナーの伝統であろうと思います。

トーラーを徹底的に子供の頃から暗唱し、そしてディベートを積み重ねていく在り方が脳を特に前頭前皮質を飛躍的に向上させるのではないかと思います。

ミシュナーとは何でしょう。どのようなシステムなのでしょう。

一言で言えば、きわめてシンプルです。

自身もユダヤ人であり、ある意味でラビ以上にトーラーに通じていたガリラヤ地方のナザレの男の2000年前の言葉を借りれば「律法にはなんと書いてあるか、どう読むか?」(ルカ10:26)ということになります。

トーラーになんと書いてあるか、そしてどう読むかが問題です。

トーラーに書いてあることはきちんと覚え、身に付ける必要があり、その上でその解釈は厳密であるべきなのです。そしてその解釈はいまだなされていないという立場であることがポイントです。
先輩や先生やラビが言っていることを鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考え、そして結論にたどり着くべきなのです。

信仰とは自分の行動を律することで、心を律することです。

そこには「信じる者は救われる」というような、しばしばぬるさに落ちてしまうような考え方はありません。信じているか否かは神が決めることであり、我々は行動によってそれを示すのみです。

ミシュナーの冒頭を引きます。そのことで、ミシュナーの感じを少しでも掴めるかと思います。

まずはトーラーです。
我々が旧約聖書として知っているヘブライ語聖書です。

(引用開始)
聞け(シェマア)、イスラエルよ。主はわれらの神であり、主は唯一の方である。あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留め、子供たちに繰り返し教え、家に座っているときも道を歩くときも、寝ているときも起きているときも、これを語り聞かせなさい。更に、これをしるしとして自分の手に結び、覚えとして額に付け、あなたの家の戸口の柱にも門にも書き記しなさい。(申命記6:4-9)(引用終了)

モーセ五書の申命記に祈りについて語られています。

あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。」とはナザレのイエスも引いた言葉であり、新約聖書の一節として知っている人も多いでしょう。

それに対してミシュナーです。ミシュナーとはトーラーの解釈本です。
解釈本とは言っても我々が考えるような、解答と解説が乗っているわけではありません。
延々と議論の歴史が乗っています。

すなわち、この申命記の一節をめぐって、その読み方をめぐって延々と2000年間ディスカッションが続きます。

ポイントは「律法をどう読むか」です。


(引用開始)
一 夕方はいつからシェマアを唱えるのか。祭司らが〔家に〕入り〔聖なる〕献げ物を口にする時刻から、第一当直の終了時までに〔唱えるべきである〕。これはラビ・エリエゼルの言葉である。しかし賢者たちは「夜半までに」と言う。ラバン・ガマリエルは「夜が明けるまで」と言う。あるときその息子たちが祝宴から〔夜半すぎに〕帰宅して、わたしたちはシェマアを唱えませんでしたと彼に言った。そこで彼らに言った。もしまだ夜が明けていないならば、あなたがたは唱えなけれならない。単にこのことのみにとどまらず、賢者たちが「夜半までに」と指示するあらゆることは、夜が明けるまでに義務づけられている。〔たとえば焼き尽くす献げ物の〕脂肪および他の部分の焼却は、夜が明けるまでに済まさなければならない。さらに、すべてその日のうちに食べなければならない、とは、夜の明けるまでに食べなければならないということである。もしそうであるならば、賢者たちはなぜ「夜半までに」と言ったのであろうか。〔それは〕人を罪から遠ざけるためである。(略)

三 シャンマイ派は言う。夕方すべての人は横たわって〔シェマアを〕唱え、朝には起立して唱えるべきである。「あなたが寝ているときも、起きているときも」(申六・七)といわれている。しかし、ヒレル派は言う。すべての人は各自それぞれの方法で唱えればよい。「あなたが道を歩くときも」(同上)といわれているのだから。もしそうであるならば、なぜ「あなたが寝ているときも、起きているときも」といわれているのか。それは、人びとが寝ている時間にも起きている時間にも、という意味である。ラビ・タルフォンは語った。わたしがかつてたまたま道を行くとき〔シェマアを〕唱えるためにシャンマイ派の言葉にしたがって身を横たえたことがあった。その際、盗賊に襲われる身の危険にさらされた。人びとは彼に言った。あなたはヒレル派の言葉に背いたのだから、そのような災難を見に招いたのは当然である、と。
(ミシュナー Ⅰ  ゼライーム pp.10-14)

猛烈なディスカッションです。

共通見解に到れるのか不思議なほどです。暫定的には到るでしょうが、また延々と繰り返されるでしょう。そして過去の天才的なラビたちの議論を乗り越えて次の議論を展開しなくてはいけません。

ミシュナーはいわば入れ子構造になっています。
一番の芯はもちろん律法であり、トーラー、モーセ五書です。
そしてそのまわりにミシュナーがあり、その周りをゲマラーが囲んでいます。
ディスカッションの歴史です。


*ミシュナー、そしてその周りをゲマラーが囲みます。そして中世のリシたちのツッコミがまたそれを囲みます。ここに数千年の歴史があります。


これは法律の条文をどう読むかをめぐって争うSuitsの男たち(弁護士)を思わせます。





とまだまだ書き連ねていくつもりでしたが、余白が少なすぎることに気づきました。


そう言えば、プーチンの最近の質問で、「生活が苦しくなって、いろいろと切り詰めています。あなた(プーチン)は何を切り詰めていますか?」というような質問に対してプーチンいわく「時間だ、時間が最も希少な資源だ」というような回答をしています。

追記!!

厳密な解答はこちら。クーリエ・ジャポンからの引用です!

Q. 何もかも高くなって、生活を切り詰めないとやっていけません。大統領ご自身は何か節約するようになりました?
──タマーラ・ゲオルギエブナさん(年金生活者/モスクワ在住)

A. 時間だ。あらゆるもののなかで最も高くつくものだからな。





プーチンかっこよすぎますw

時間の余白が少なすぎますね。

残りはまた書きます!!


取り急ぎ、予告としては、上記の内容のように魔術→ミシュナー→トーラーと移動し、トーラーの後ろにあるシュメールを見ます。その間に偉大なギリシャの賢人の思想がいかに現代科学も魔術も統べているのかという寺子屋「裏の世界宗教史」の復習も含める予定です。

そんな感じで明日の寺子屋を開催します!!
明日19時開催です!

お楽しみに!!!!

【寺子屋!! ~シュメールの奇跡~】
【日時】 5月19日(木) 19:00~21:00(21:30まで質疑応答!)
    (追加開催決定!!)5月30日(月) 19:00~21:00(21:30まで質疑応答!)

6月

【場所】 東京・四ツ谷の「まといのば」のセミナールーム
【受講料】  3万円
【受講資格】 ブログ読者
【持ち物】 筆記用具と熱い情熱
【お申し込み】お申し込みはこちらから。


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