エリファス・レヴィのバフォメットの絵がレジュメに出てきたのは、実に4年半ぶりです。バフォメットとは悪魔の1人です。サバトの山羊などとも言われます。タロットの大アルカナの15番の悪魔の絵のモデルでもあります。
前回、バフォメットが登場したのは2011年5月。第1期のヒーラー養成スクールです(参照)。
1期スクール修了生の皆さんは是非、レジュメを引っ張り出してきて確認してください!!
これを描いたエリファス・レヴィという魔術師の名はヘブライ語読みですが、本人は生粋のフランス人です。
近代における魔術復興の立役者とも言えます。
現代論理学がフレーゲによって始まったように(それまではほとんどアリストテレスしかいないというのがすごいことです)、近代魔術はエリファス・レヴィによって始まります。
ただ神学や悪魔学的には大きなインパクトは無いと個人的には思っていますので、寺子屋では取り上げてきていません。
まずは、ともかくバフォメットです。
悪魔を描いた絵の中では、唯一と言って良いほどに僕は好きな絵です。
というかほかの絵がひどすぎるのです。なんというか、細かなところの手の抜き方とか、レベルの低さがひどくて、盛り上がれないのでw
バフォメットがマホメットであるのかは議論がありますが、いずれにせよ異教の神です(マホメットの信仰する神はキリスト教の神と同じですが、近親憎悪がすべての争いの根源です)。
この絵を描いたのがこちらのおじさん。
まさに魔術師という風貌です。
魔術師というか、この風貌は王仁三郎をも思わせます。
王仁三郎は先日の「はじめての気功」講座でも話題に出ました。
気功と合気道の関係での話でしたが、合気道がそもそも王仁三郎の強い影響を受けていることは忘れられがちです。王仁三郎が合氣(もしくは愛氣)とつけたとも言われますし、植芝盛平は当初と晩年には非常に宗教的になりましたが、それは王仁三郎の影響です(というか、逆に現代まで、合氣道が生き残ったのは、その宗教色を徹底的に消したからと言えます)(で、何が言いたいかと言えば、合氣の氣と道教の気は歴史的にはつながりがないということです)。
最近はラグビーのワールドカップに忙しくて、なかなかブログを更新する暇もないのですが(そして日本の歴史的な快挙がここで虚しく終わるのは大変に残念です。エディ・ジョーンズという偉大なリーダーを無くしてこの先4年を闘えると協会は考えているのでしょうか)、今月を最後として「まといのば」としても、新しいフェイズに入れそうです!
ちなみに、なぜ「陰陽師の砂場」でエリファス・レヴィのバフォメットなのかと言えば、陰陽師と西洋魔術は深いところでつながっているからです(いや、冗談です!)。
端的に言えばシンボルが共通するということです。
世界的によく見られるシンボルとして晴明紋があります。五芒星ですね。平たく言えば星形です。
黄金比が含まれることでも有名で、かのピタゴラス教団のシンボルでもあります。
*アテナイの学堂におけるピタゴラス。アテナイの学堂にはプラトン、アリストテレスを中心にたくさんの哲学者たちが大集合しています。この絵の読み解きをしながら、世界の思想を読み解くのも面白いかと思います。
5000年前のシュメールがUB(ウブ)と呼んで使われていたとも、エジプトでも使われていたとも言われる伝統的なシンボルです(最近で言えば、帝国陸軍が使っていたそうで。海女さんのセーマン・ドーマンも同じです)。で、バフォメットの額にも星が刻まれています。
いずれにせよ、星印がつなぐ縁というのは時間も空間も超えています。
ユングの言う集合無意識の一つの写像なのかもしれませんが面白いものです。
とはいえ、知識は増やすものではなく、捨てるものです。
たくさんの知識を食べて捨てることで、膨大な砂利の中の砂金のように、明確な秩序がはるか向こう側に見えてきます。
ここしばらくは開業スクールメンバーのテコ入れに全力を注ぎますが、彼らが見事に羽ばたくころには、「まといのば」の場も次のフェイズに移動していると思います。楽しみましょう!!