バレリーナは猫背・前肩なのか?! | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

四ツ谷にありますバレリーナ専門の気功整体「まといのば」のブログです。
気功師から見たバレエとヒーリングのコツを公開します。
「まといのば」では、バレエ・ヒーリング・美容の各種セミナーを行っております。

バレリーナは猫背で前肩です。
猫背や前肩というと悪いイメージがありますが、これは僕らがそう思い込まされているだけです。
なぜバレリーナが猫背で前肩かと言えば、骨格がそうだからです。
骨格模型を見ると、猫背ですし、肩は前についています。
無理に力んで形を作らない限りは、脱力してリラックスした状態は猫背で前肩になります。
それがマイケル・ジャクソンもスティーブ・ジョブズも猫背である原因です。
我々が好きなトップダンサーたちも普段は猫背です。実は舞台上でも猫背です。
白鳥の湖で、白鳥が身体を横に向けるときにそれが分かります。ジゼルのポーズもそうです。
そのたおやかさに感動します。
しかし、あのポジションは猫背です。

通常の猫背に対して、バレリーナの猫背とも言うべきポジションがあります。

では、いけないと言われている猫背とバレリーナの猫背の何が違うのでしょう。形態は何も変わりません。違いは力みだけです。一方はカチカチに力んでおり、一方はゆるゆるに脱力しています。もちろん後者が理想的です。バレリーナは肩が下がり、肩は構造にそって前肩につき、猫背となります。

では、なぜ「猫背や前肩はいけない」と社会では通常言われるのでしょう。
非常に好意的に解釈すれば、「それほど力んではいけない」といことだったのかもしれません。もしくは、バレリーナもそうですが姿勢がよく見えるので、その状態にさせようと思ったのかもしれません。
悪く考えれば、人をより固めてよりIQを下げるためにもっと硬直的になりなさいということで、胸を反らせて(固めさせて)、背中を緊張させたのかもしれません。
学校体育というのは軍事教練ですので、より良い奴隷を作るための道具です。その影響は大きいと言えます。

プロのダンサーと日常的に触れることの多いクライアントさんは「まといのば」では少なくないのですが、彼が一様に言うのは、一流ダンサーは姿勢が悪く、その前のダンサー(2流までということでしょうか)は姿勢が良いそうです。
良い先生なども姿勢が悪く感じる、と。これはバレエに限らず、社交ダンスでも新体操でも同様です。
このパラドックスは僕らが「猫背・前肩が悪い」という洗脳にかかっているからこそ起こります。
一流ダンサーの身体の使い方こそが合理的で正しい姿勢なのです。

実際に身体にセンターを通すと猫背・前肩になりますし、逆に猫背や前肩で身体をゆるめないとセンターという身体意識は通りません。
ではどうして彼らが姿勢がよく感じるのでしょう。
これにも回答が2つあります。
1つは思い込みです。そう思い込んでいるというだけであり、実状は違うということです。
実際に身近に見ている人は「なぜ姿勢を悪くするのだろう」と訝しがります。
もう1つはセンターが通っているからです。姿勢の実際の形状がどうあれセンターが通っていると「姿勢が良い」と感じます。これはいわゆる学校体育での硬直的な姿勢の良さとは似て非なるものです。センターが通るために猫背で前肩でも、スッと伸びていて美しく感じます。

ピサの斜塔状態で立つことを強制されている我々の身体は、バランスを取ろうとしたらどうしても、胸を張り、腰を反らしてバランスを取るしかありません。もし上体をリラックスさせれば、そのまま前傾姿勢で前のめりに落下していきます。
いわゆるいけないと言われる猫背や前肩も、胸を張り、反り腰もどちらも同じ問題を抱えています。
すなわち身体の合理性に反して力んでいるということです。
合理性に沿って、ゆるめて脱力とリラックスを元に身体を組み立てると必然的に猫背で前肩で、胸郭は広がり、ウエストはしまり、お尻は小さくなり、足は細くなります(食べ過ぎていない限り)。

「バレリーナでなくてもバレリーナ体型になれますか?」という質問に対しては「もちろん」と回答する他はあり得ません。バレリーナという遺伝子があるわけではありません。バレリーナという機能が存在し、そのための訓練が存在し、その訓練を支えるロジックが存在し、上達の方法論があります。それを愚直に行えば身体は変化します。