ホメオパシーが科学的根拠に基づいていないなら | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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ホメオパシーが科学的根拠に基づいていないとするならば、現代の通常医療もそうであることを一緒に議論すべきでしょう。ホメオパシーも通常医療も科学的根拠は同じくらいあり、同じくらいありません、と。

ホメオパシーを止めるなら、通常医療も一斉にストップするというのが「科学的」態度でしょう。

通常医療も科学的根拠には基づいてはいません。
それは医師や科学者たちが最も良く知っているのではないでしょうか。

だからこそ1990年にEBM(科学的根拠に基づいた医療)という概念が生まれ、科学的根拠に基づいてそろそろ医療をやりましょうという運動が始まったのです。
じゃあ、「それまでは科学的根拠に基づいていなかったの?」と問うならば、まあ原理的に「そうです」、と答えざるを得ないでしょう。

ホメオパシーが始まったのは1807年、ハーネマンは当時の科学的な通常医療である血をヒルに吸わせるという医療を拒んで、ホメオパシーを始めました。

彼の200年前の議論が現在の科学に照らしておかしなことなどは自明の前提であり、それがホメオパシーの有効性を否定する根拠になるというのは奇妙です。では政府は200年前に西洋近代医療が瀉血を行っていたという点で通常医療の非科学性を告発したらどうでしょう。

「いやいやハーネマンだけでなく、現在も希釈によって効果が増すという説を言っているがそれはおかしい」と言う人もいるでしょう。

まあそれは理解できないでもないですが、でもそれは「だから何?」でしょう。研究者に任せるべき仕事でしょう。

仮にホメオパシーが全くの非科学であり、あれが砂糖粒であるなら医療の枠の外でも中でも処方するのに問題はありません。プラセボで治るならそれにこしたことはありません。

ちなみに化学薬品である効能のあるとされる薬もほとんどがプラセボであることは「科学的」事実です(だからこその二重盲検法です)。

じゃあホメオパシーは副作用の無いプラセボでいいのではないでしょうか?もちろん彼らの「量子レベル」とか「波動」が正しければ、それはそれで素晴らしいということになりますし、いずれにせよ効能はサイモン・シンによれば科学的に認められています(現在は「科学的に」プラセボレベルであるとはいえ、プラセボレベルってかなり効いているってことです)。

仮にホメオパシーがプラセボであることを明記せよというならば、医療も同じです。自分達の診断の根拠の薄弱さと(誤診のリスク)、薬害や副作用のデータと検査のリスク(死に至る可能性もある)を全て患者に提示すべきです。

ホメオパシーが通常医療の妨げになるというのは、患者の自己決定権を誤解しています。患者が何を選ぶかは自由です。

説明もせず脅すだけの医師がたくさんいます(だからこそインフォームドコンセントという概念が出てきたのです)。代替医療側がほとんどの医師と同じことをそれをやればクライアントは離れるだけです。
また通常医療は医療サービス市場を事実上も法律上も独占していることを考慮にいれるべきです。
ということは通常医療側にかなりのバイアスがかかるということです。
医療不信が言われる今でもお医者さんの権威には逆らえません。

通常医療の「科学的」におかしな通説は山ほどあります。呪術的にならざるを得ないのは通常医療も代替医療も同じです。
そして通常医療は侵襲性の高い施術を国家に許されている以上、もっと科学的に検証すべき通説はたくさんあるでしょう。

実際に1990年以降、通常医療を徹底的に科学的根拠に基づいているかチェックしたら基づいていませんでしたというのが、現在の状態です。

それによって多くの命が救われたと言いますが、逆にそれまでは多くの命が「科学的」に通常医療によって奪われたのです。
薬害などでは「科学的根拠に基づ」けば明らかに有害でしかないことが分かっていても政府や製薬会社が対応していないケースなどいくらでもあります。

ホメオパシーのレメディを飲んで死ぬのは相当に難しいですが、薬害には薬を飲めば高い確率で見舞われます。副作用はほぼ100%です。
薬害や副作用で重篤な障害をおったり、死亡する人は確実に「科学的」に存在します。

僕のクライアントでも取る必要が無い臓器を摘出された方は何人かいます。診断ミスであり、取ったあとに手術の必要が無いことが分かりました。これは明らかな障害罪です。取り返しがつきません。そんな事例には事欠きません。
代替療法家が同じミスをする確率はほとんどありません。そもそもできません。

こんな派手なミスが繰り返し起きるのは、侵襲性の高い施術を許された通常医療の側です。

もちろんそれでも危険でおかしな代替療法は駆逐されるべきですが、それは通常医療と併せて行うべきでしょう。

治験が決して科学的ではないのは、その後の想定外の副作用の多さや、薬の承認取り消しからも分かります。それは原理的に避けられないことです。二重盲検法がどれほど素晴らしいとは言え(素晴らしいことには間違いはありませんし、人類の進歩です)、それでも甚大な被害を原理的には食い止められないということには謙虚であるべきです。その意味で科学的であろうと努力はしているが、治検は科学では無いのです。

そしてホメオパシーと異なり確実に化学薬品は副作用は起きます。化学物質が生体と反応するのですから、効能と副作用はセットです。

原理的に、医療は科学的であろうと努力はしても、厳密な人体実験ができない以上、そして完璧な再現実験ができない以上、「科学的」ではありえないのです。

サイモン・シン(代替療法のトリック)が木を見て森を見ていないのもその点です。

「科学的根拠に基づいた医療」というアプローチによって、最も非科学性が暴かれたのは通常医療の側であることは知るべきです。

通常医療も代替医療も患者を前にしたときは古代の呪術師と同じく手探りの中で解決を患者と模索するしかないのです。