背中を柔らかく使うときも、足の付け根がみぞおちという意識が有効です。

足の付け根を股関節ではなく、仙骨でもなく、みぞおちにまで付け根を引き上げるイメージです。

もちろんその過程で仙骨を意識したり、股関節をしっかり意識することは重要です。

そして腰椎を意識して、腸腰筋を意識して、最終的にみぞおちを足の付け根と考えることです。

世界的有名ダンサーの美しいアラベスクを思い出してください。

足がまさに上半身から生えているようです。みぞおちから足になっているように見えます。

彼らは股関節が柔らかいのでも、背中が柔らかいのでもありません。
(いや、もちろん十分柔らかいのでしょうが、それがあのアラベスクを成立させているわけではないということです)。

彼らは身体の使い方のシステムが少し我々と違うのです。

そのシステムの一つが足の付け根の位置です。

モデルやバレエダンサー、バレリーナの手足が異常に長いと感じたことはないでしょうか?

もちろん物理的に長いこともあるでしょうが、ほとんどは錯覚です。
使い方が異なるためにそう見えるというトリックです。

そのための方法の一つがみぞおちの意識です。

より厳密には、僕らは鳩尾(みぞおち)を気功技術「腸腰筋」のトリガーにしているので、みぞおちを意識すると腸腰筋が活性化されるという裏のカラクリもあります。

ただ、トリガー無しでも十分に有効です。

解剖学的には横隔膜から腸腰筋、骨盤底筋群を効かせること、そして腸腰筋で大腿骨を吊すイメージです。

腸腰筋は腕の太さくらいあります。その太い筋肉を足として認識するのです。

みぞおちを足の付け根とすると、腰がゆるみます
腰にある様々な関節はもはや腕にとっての肘と同じです。自在に動かせます。

腰を基点に考えるから、アラベスクやランベルセは難しくなります。基点をあくまでもみぞおちにすれば、腰はぐにゃぐにゃに自由に動かせます。

施術やワークショップで体験された方は、「ここまで抜いて良いのですか?」とよくおっしゃいます。

でも鏡に写る姿は普通のバレリーナと同じです。

主観と客観はそれほどずれます。

むしろ主観が嘘をつくので、私たちは背中を柔らかく使えないのです。

「意識」が嘘をつくとも、ホメオスタシスが嘘をつくと言っても構いません。

客観的な現実と違う仮想的なところで、私たちの「意識」は自分の身体の操作の仕方を決めています。そこに客観的な根拠はありません。

ですので、その「操作の仕方」そのものを書き換えれば見事に踊りは変わり、背中も柔らかくなります。その「書き換え」そのものに気功は介入します。

ただ解剖学的な理解(骨程度で)、認知科学的ない理解(このブログ程度で)は必要です。

理論や情報と気功という内部表現書き換えの技術(無意識のシステムを書き換える技術)がセットにならないと、バレエはできないのです。

背中を柔らかく使うためにも、みぞおちから足にしましょう!