朝からの大雨で、昨日土曜日に行われるはずだったいくつかの野外音楽イベントが中止になったようです。

屋内のイベントは開催されたのでしょうが、足元が悪い中のイベントでは主催者の心労が伺えるのです。誠にご苦労様でした。

実は、僕の10歳年下の従兄弟が昨日、結婚式を挙げました。僕は呼ばれなかったのですが、親父お袋の送迎で浜松まで運転手をしました。

あいにくの天気でしたが、披露宴の始まるころから雨は小ぶりになったそうです。聞けば、新郎新婦入場が、全て庭から会場へ入る演出だったとかで、そりゃ降られなくて良かったねと話しました。

披露宴は雨天順延には出来ませんからね。天気ばかりはままならないものです。

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移動中、ずっと車中でザバダックを聴いてました。「遠い音楽」が流れて、連れ合いが“この歌は聞き覚えがある”とつぶやきました。

僕はその昔、カラオケで「遠い音楽」を何度か歌ったことがあるので、それでだろうと説明したら納得してました。

聴いていたのはベストアルバム『ディケイド』の、弾き語りライブバージョンです。メンバー自らもライナーで書いてますが、「遠い音楽」は弾き語りバージョンがスタジオ録音のそれを凌駕してます。



前の日記を書いてから、当時の僕はザバダックの何にあんなにも打ちのめされたのだろう、と考えました。

要は、僕の思う素敵な音楽はアメリカとイギリスの影響を受けたものが多くて、なら、英米のミュージシャンから“英米の真似”と思われない日本のポップスとは何だろう、と漠然と考えていたのです。


岡林信康が海外ミュージシャンに“ハーモニカとギターの弾き語りは(ボブ・)ディランの真似じゃないか。日本独自のロックを聴かせろ”と言われて、音頭とロックを融合したエンヤトットに走ったのも噂に聞いてました。


フラワー・トラベリン・バンドのギタリスト石間秀樹さんは、アメリカで向こうのドラマーとセッションした際、せっかく本場のミュージシャンとやれる機会だからと3コードのブルースを始めたら、そのドラマーはふてくされたそうです。“ガキの頃から散々やってきた音楽を、なんで日本人と今更やらなきゃいけないんだ”と。

喜納昌吉は沖縄音階を駆使して新しいロックを作り出し、ライ・クーダーをはじめたくさんのミュージシャンに影響を与えました。


けど、岡林や喜納昌吉の追求は素晴らしいことと思いつつも、僕はそれがやりたいとは思えませんでした。

そこへ、ザバダックです。ザバダックが一つの解答のように感じてしまったのです。

今思うと、ザバダックもケルティックな民族音楽やプログレが根底にあるのは分かります。けど、これを聴いたアメリカ人やイギリス人は“珍しい!”と面白がるんじゃないかな、と今でも思うのです。もちろん、これが日本独自のものかと聞かれたら、なんとも言えないのですけど、間違いなく吉良知彦さんの音楽だといえます




マシス