ディランの名古屋公演を観て、触発されまして、あれから二週間、おかげでひとつ詞が書けました。

メロディーは何年も前に風呂で思いついたもの。とりあえずの仮の詞をつけてほったらかしてあった曲に、ようやくです。諦めずにコツコツ書いていたらいつかは完成するものですね。

ディランを聴いてると、たいていは“何を歌ってるか分からない”のですが、そのデタラメ感が凄く良くて、聴いていてブワーッてイメージが広がる。どこへ連れて行かれるんだろう、って開放感が何とも言えんのです。

ああ、ディラン良いな、俺も「ブルーにこんがらがって」みたいなのをやってみたいな、とワクワクしながら、頭の中で二週間ずっと言葉遊びをしてました。


上手いこと言ってやろうとか、キレイにまとめようとか一切考えず、ただ言葉を吐き出すがままペタペタ貼り付けていくことが、実は凄く楽しい、ってことをディランは思い出させてくれました。

で、作ったのですけど、全然「ブルーにこんがらがって」にならんかった。あのボヘミアンな空気を出すには精進が足りません(精進してもどうにもならない?)

「赤と茶の混沌」ってタイトルも今ひとつです。「混沌」って重すぎる。別案として「競争」とか「奔走」とか「煩悩」とか、いろいろ考えてみたのですけど、結局は最初に思いついたまま。連れ合いがこよなく愛する小説「黒と茶の幻想」(/恩田陸)をちょっと連想しますが、それは偶然。

何にしても出来たので、5月7日の焙煎屋ライブで歌いますよ。

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「赤と茶の混沌」

ほころぶ隙間に
つぎはぐ
布(キレ)と布のように
寄り添って
クチャクチャな
君と僕は
一枚のレザーの上着で
あろうとしてた
赤と茶の混沌

右向け左に
脈打つ微熱
笑ってたの
それとも
もっと違う顔?
紐解く
手荷物は
胸に預けたままの
旅の途中
赤と茶の混沌


特別が特別じゃ
なくなる

特別が特別じゃ
なくなる

分かったような
顔しないで


おどろけ
おののけ
荒ぶれ
抗え
尖って
刺して
身をもって
わだかまれ
不屈の空を焦がした
松明の灯りに
二人が溶けた
赤と茶の混沌


結局
未だもって
明日は知れず
ひとつひとつ
割り振った役割を
君と僕は
演じてる
歳月のうねりに
身を投げてゆく
赤と茶の混沌


2016/04/28 5:50



マシス