数学と癒し ~ エッセイ ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

数学癒し と聞くと不思議に思われるかもしれません。

 

数学には、「数字」 「計算」 「公式」 などのイメージがあり、

 

 

難しい

苦手

嫌い

 

 

などの感情を抱く方も多いからです。

 


確かに、「数字」 や 「計算」 も数学の一部ですが、
それはほんの小さなことだと私は思っています。

 

 

もっと大切なことがあると思うのです。

 

 

それは、

 

数学の楽しさや不思議さ、美しさを感じるです。

 

 

 

 

たとえば、

 

 

ここにチョコレートが1個あったとします。

 

 

今日全部食べるともったいないので、

 

半分だけ食べて、

残りは次の日にとっておくとします。

 

次の日も、半分だけ食べて、

残りの半分はさらに次の日にとっておくとします。

 

また次の日も、半分だけ食べて、

残り半分をとっておくとします。

 

さらに次の日も、半分だけ食べて、

残り半分をとっておくとします。

 

 ・ ・ ・ ・ ・

 

これをずっと続けると、

 

 

半分、4分の1 (分数です)、 8分の1、 16分の1、 ・ ・ ・

 

 

どんどん小さくなっていきますが、

なくなることはありません!

 

 

永遠になくならないチョコレート

 

 

数学的には、

 

無限に小さくなるといいます。

 

なんだか不思議ですね。

 

(といっても実際は、小さく切るのに限度があるのですけどね)

 

 

そんな不思議さを空想するのが、数学なのです。

 

 

 

なぜか人は無限に惹かれる。

 

 

どうしてだろう?

 

それは手に入れられないからだろうか?

 

 

欲しいけど、手に入らない ・ ・ ・

 

たとえば、

 

あなたは、

 

『永遠』 という響きに憧れませんか?

 

 

 

 

かつて、

 

ドイツの数学者のクラインは、

エルランゲン大学に就任する際に講演をしました。

 

そこで彼は、数学を音楽にたとえました。

 

 

音楽の専門的な職業に就く人は少ないが、

音楽を聴いて美しいと思う感性は皆が持ち合わせている。

 

数学も同じで、ある程度の訓練をすれば、

皆が数学をできるようになる。

 

 

このような意味のことをクラインは言いました。

 

この言葉には、とても勇気づけられます。

 

 

私は、

 

音楽を聴いて癒されるのと同じで、

数学にも人を癒す力がある

 

と考えています。

 

 

音楽と数学って、似ていると思うのです。

 

 

普通の人は五線譜の音符を眺めていても、

なかなか感動しないと思うのですが、

 

演奏された音楽を聴いたら、

「きれいな音色だなぁ」

と感じると思うのです。

 

 

数学もそれと同じで、計算に惑わされずに、

「不思議だなぁ」

という感性を大事にしてほしいと思うのです。

 

 

ただ、

 

数学自体、中学生くらいから難しくなってきて、

計算に追われてしまって、それどころじゃない!

 

という人が多いのではないでしょうか。

 

チンプンカンプン、嫌い! 怖い!

 

そんな状況に、私は悲しいなぁと思っています。

 

 

 

 

先ほどのチョコレートの話は

 

無限に小さい

永遠になくならない

 

というのがテーマでしたが、

 

 

逆に、

 

無限に大きい場合はどうでしょうか?

 

 

私自身、子どもの頃、

 

宇宙はどこまで続いているのだろう?

 

と素朴な疑問を抱いたことがありました。

 

「ずーっと先には、行き止まりというか、宇宙の端 (境界) があるのかな?」

 

と子ども心に考えていました。

 

 

だけど、

 

「宇宙に端があるとして、じゃあ、その先は何があるのだろう?」

 

そんな風に考えたら、訳が分からなくなった記憶があります。

 

それはそうですよね。

宇宙の向こう側に何があるのかなんて、誰も分かりません。

 

 

ただ、

 

宇宙はどこまで続くのだろう?

というのは、何の予備知識もなく、

誰もが感じることができる疑問です。

 

 

つまり、 『無限に大きい』  ということを抱く 『感性』 は、

 

高校の数学で微積分学を学ばなくても、

子どもの頃の素朴な疑問として、感じることができるのです。

 

 

 

無限の記号は です。

 

この記号をじっと眺めているだけでも、

不思議な気持ちになりませんか?

 

 

 

 

無限を現実の世界でイメージするために、

下の線路の写真を見てください。

 

 

 

 

 

2本の平行のレール

 

決して交わることのないレールが ・ ・ ・

 

 

無限のかなたで交わっているようにみえませんか?

 

 

不思議ですね。

 

 

実は、

 

数学では、

 

平行な直線が無限のかなたで交わっている

 

と考えることがあります。

 

無限のかなたの点のことを、無限遠点といいます。

 

 

平行な直線は、決して交わらないはずなのに ・ ・ ・

 

無限のかなたで交わっているなんて!

 

 

たとえていうなら、

 

決して結ばれない運命の恋人でも、

永遠の愛があれば結ばれる

 

ということでしょうか。

 

ロマンチックですね。

 

 

 

(平行な直線が無限のかなたで交わる

  というのは 射影幾何学 の考え方です)

 

 

そう思うと、

 

 

さっきは、欲しいけど、手に入らないと書きましたが、

 

もしかしたら、

 

永遠の愛は見えないととろに存在する

 

のかもしれません。

 

無限遠点のように ・ ・ ・

 

 

(これは私の空想です)

 

 

 

 

このように、日常の何気ないところに、

数学の不思議さは潜んでいます。

 

そして、

 

ちょっとしたことで、

世の中の見方が変わります。

 

 

数学を学ぶことで、世界の見方が変わる

 

 

あなたにも、そんなことを経験してほしいと思います。

 

 

どうか、あまり難しく考えずに、

肩の力を抜いてほしい。

 

素直な気持ちで、

数学と向き合って

 

喜びや不思議さを感じてほしい。

 

 

そして、

 

数学に癒されてほしい。

 

そんな風に、私は思っています。

 

 

 

 

 

 

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