詩 「  を忘れた踊り」  | 壊れたラジオと夜の傘

詩 「  を忘れた踊り」 

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遊べない砂場
潰れている蜂
幼いブルーに
染まって
ほら


子どもらしく
出来ない場所では
人間の形の
分子にもなれない

先生が親が
良い子になれといった
部屋と窓をあとにして
空に家出する

ポケット入れた切符
大切にしまう
外套をかばって
生きる頼りにする


錆びかけた電車から
降りていく人間
偽りの虚像で
誰が乗った

僕は誰だ
名前でしかない
原子の羅列か
記憶の気まぐれか
所詮人形だと人が云うなら
誰が僕と遊んでくれる


ゆるりゆるり
座席の上
お嬢さん
お嬢さん
一緒に踊ってくれますか




遊べない校舎
潰されてた蜂
汚いブルーに
染まって
ほら

子供らしく
出来ない僕では
人間の心の
真似事もできない

多罪感が押し寄せて
まわりは窒素で埋まっていく

自分だけがアポトーシス
まわりは哀訴で詰まっていく

僕は誰だ
名前でしかない

分子の羅列か
記録の気まぐれか
所詮人形だと人が云うなら
誰が僕と踊ってくれる

ららりららり
座席の上
お嬢さん
お嬢さん
一緒に踊ってくれますか