公共施設の管理者制度はどうなっているのか? | 江戸川区議会議員 桝秀行のブログ

皆様、新年明けましておめでとうございます。


昨日、18日に今年一回目の行財政改革特別委員会が開かれ、私も新年初の委員会出席となりました。今回は「指定管理者制度」について検討がもたれましたので報告させて頂きます。



まず、『区が保有する公共施設を管理しているのは誰?』という事ですが、平成15年の地方自治法の改正によって、これまでの直営スタイルから、民間などへの委託も可能になりました。


これにより、江戸川区でも徐々に指定管理者への委任が増え、現在ではタワーホール船堀やプールガーデン、総合文化センター等等、計32施設を数えるようになりました。


これは各施設ごとに業者を公募し、競争させる形を取っているため、特定の業者による独占はおきていません。


また、この制度導入の目的の一つに『効率化』というものが上げられています。つまり公営から民営によるコスト削減と言い換えられるかと思います。江戸川区では32施設を指定管理者制度によって民間の力を借りる事によって、維持・運営費を年間15億円も節減できているとの事です。


やはり、コスト削減はリスクと競争の中で活動を続ける民間活力を活用すべきですね。この指定管理者制度の導入によって、これだけ多くの運営費を節減し、更に住民サービスも向上するのであれば、更に多くの施設に水平展開して欲しいところです。


しかし一方で、その公共施設の持つ性質によっては指定管理者制度に馴染まないものもある事を考えなければなりません。


その代表的な施設として図書館が上げられます。民間の知恵を持って図書館を効率的に運営しようとした場合を考えてみます。


まず住民サービス向上のために、利用者数を増やそうと工夫をし、結果として利用者数を増やす事が出来たとすると、対応する従業員を増やす必要がでてくるなど利用者数の増加に応じた付帯コストが増加する事になります。


図書館運営は、この点でプールや文化施設のように利用者数が増えれば増えるほど利用料収入が増えるものとは性質が決定的に異なります。


つまり、図書館を管理する業者は、コストを削減して利益を増大させるために、従業員を減らしたり、購入する書籍を減らしたり、開館時間を圧縮したりするなどの支出削減策を講じようとしますが、それは住民利益には反するという矛盾が生じてしまいます。


このような例からも、指定管理者制度にはまだまだ詰めて検討しなければならない点が残されていますが、一部の施設(指定管理者制度に馴染まない)を除いては、住民サービス向上と運営コストの削減という成果物を得られる事が実証されているわけですから、将来的に更なる制度適用の拡大を求めていきたいと考えています。