コーディネーショントレーニングって? | 東松山陸上スポーツ少年団ブログ

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毎週土曜日 8時30分~11時30分
東松山市陸上競技場で東松山市、熊谷市、
深谷市、嵐山町、鴻巣市、毛呂山町、吉見町、
坂戸市、越生町、滑川町の小学生と中学生、コーチたちが
「明るく!楽しく!元気よく!そして厳しく!」活動中!

こんばんわ。
 
今年も多くの体験入団の子ども達が練習に来てくれました。ニコニコ
 
東松山陸上スポーツ少年団というだけだから、「走る」練習メインと考えている方も多いと思います
 
そう考えておられるなら、東松山陸上スポーツ少年団には、入団させないほうが良いでしょう。
 
 
 
 
 
 
子どもの時から大人と同じ練習をさせれば、速くなるはず?
 
これ、大きな間違い!
 
陸上競技のトレーニングといえば、ミニハードル、腿(膝)上げなどのインターバルトレーニングやタイムトライアル、レペテーションなど・・・
 
このような練習内容を多くの人が思い浮かぶのではないでしょうか?
 
スプリントドリルやミニハードルは小学生の頃からやっておくことは、効果があります。
 
しかし、小学生のうちからインターバルトレーニングやタイムトライアル、レペテーションをやり過ぎると身体の成長に少なからず影響がでてきます。(スポーツ障害リスクを高めます。)
 
更に、これらのトレーニングや息が上がるスピードで30秒以上走るトレーニングを年間を通じて行うことは好ましくありません。
 
インターバルトレーニングやタイムトライアル、レペテーションの目的は・・・
 
これらトレーニングの目的は毛細血管を1度、破壊させ、その後の休養で毛細血管を再生、増加させることが目的です。
 
大人の場合、1度破壊された毛細血管は休養やLSDで再生し、以前より増えます。
小学生の子どもの場合、毛細血管は再生しにくく、退化(少なくなる)してしまうことがわかっています。
血液には粘性があるので、心拍数が上がり血流が速くなると、通りやすい大きな血管にばかり血液が流れ、毛細血管を通らなくなります。
使わない機能は退化(無くなる)するわけです。
毛細血管が少なければ、酸素を運ぶバイパスが無いわけですから、有酸素運動能力は低くなります。
胃腸などの消化器系、腎臓や肝臓に悪影響があるという人もいます。
肝臓が悪いとエネルギー源を蓄える能力が低下します。
腎臓が悪いと老廃物の排出能力が落ち疲れやすくなります。
しかし、年間を通して行わず、一定の期間であれば問題はないそうです。
そのあたりを見極めてトレーニングプログラムを組んでいます。
 
 
とはいえ、小学校では持久走大会があるじゃん!!
 
小学校の体育では、持久走はあくまでも「体つくり運動」としての位置づけで、持久力(心肺機能)を向上させる目的で行われていません。
呼吸循環機能の発達がまだ十分ではない小学生に、長距離競争的な強い負荷を与えてはならないという配慮からです。
小学生の持久走は、子供一人一人の体力に応じて、無理のないペースで走り続けられることが重要です。
 
小学生の全身持久力を高めるなら、水泳や自転車、バスケットやサッカーや縄跳びや鬼ごっこといった遊びが効果的とされています。
 
では・・・・
 
小学生には、どんな運動をさせればいいの??
 
 
コーディネーショントレーニングですビックリマーク
 
鬼ごっこも立派なコーディネーショントレーニングなんですよ。
 
私が子供のころは、ほぼ毎日、外で野球したり、サッカーしたり、鬼ごっこしたり、木登りしたり、ゴム跳びしたり、学校の遊具で遊んだりしていました。
この遊びそのものが、コーディネーショントレーニングなんです。
昔の子どもは、遊びの中で自然とコーディネーショントレーニングをしていたわけです。
 
このコーディネーショントレーニングですが、ドイツで提起されました。
大きく7つに分類した能力を鍛えるトレーニングです。
 
簡単にいうと、運動神経(運動能力)を鍛えるトレーニングのこと。
 
動神経は、親が運動神経が良いから、その子どもも運動神経が良い(遺伝)と思われがちですが、コーディネーショントレーニングで運動神経が伸びることが証明されています。
 
コーディネーショントレーニングはプレ・ゴールデンエイジ(5歳頃~8歳頃)、ゴールデンエイジ(9歳頃~12歳頃)は、有効とされています。
 
個人的には、プレ・ゴールデンエイジ世代のトレーニングを私は重要視しています。
ここで、どれだけ、様々の動作をさせるかさせないかで、ゴールデンエイジで様々な動作の習得の速さが左右されるからです。
 
東松山陸上スポーツ少年団では、低学年の練習は遊びの要素を取り入れ、かつ、陸上競技に繋がるコーディネーショントレーニングを行っています。
 
前置きが長くなりましたが
 
7つのコーディネーション(運動能力)について、説明します。
 
コーディネーションは身体的運動能力を基礎として、視覚的な判断や道具の扱い方など身体以外を認識する能力まで含まれます。
 
定置能力
自分の周囲の人やものとの位置関係を正確に把握する能力。
アクロバティックの競技や球技系の種目では必要不可欠な能力。
 
変換能力
動きを素早く切り替える能力。
敏捷性(アジリティ能力)のこと。
定置能力と反応能力を密接な関係があり、予測して先取りする力でもあります。
ディフェンスで相手の動きに合わせて適切に対応するなど。
 
反応能力
合図や相手の動きに素早く反応する能力。
反射神経のこと。
スタートダッシュはこの能力。
 
連結能力(コンビネーション能力)
身体を無駄なくスムーズに動かす能力。
 
識別能力
ボール、バット、竹刀などの道具を巧みに扱う能力。
手足、頭部の動きを微調整する際の視覚との関係を高めます。
 
リズム能力
動作のタイミングを上手く併せられる能力。
あらゆるスポーツにおいて上達に欠かすことの出来ない基礎能力。
 
バランス能力
崩れた体勢でも全身のバランスを保てる能力。
転びそうになっても持ち直すことができる。
 
 
 
しかし・・・・
 
これらの運動能力(運動感覚)は、ズレることがあります。
 
卒団生の中では、2~3日間練習しないと感覚が変わると感じたことがあると思います。
疲労で思うように体が動かなくてもズレた状態です。
逆に調子が良い体に感覚が追いついていないこともあります。
 
これらは、運動感覚が一致していないためです。
 
 
このズレは「ポスト・ゴールデンエイジ」(13歳頃~16歳頃)に多く訪れます。
 
この時のズレを「クラムジー(Clumsy)」と言います。
 
このズレが生じる理由は発育のスパーク(スパート)期にあり、骨格の急速な成長がみられ、支点・力点・作用点に狂いを生じるためです。
 
思うように、身体が動かなくなっても焦らないこと。
自然と、身体の動きはついてきます。
 
 
最後に
 
「発育・発達」にあったトレーニングは、子ども達の可能性を広げるものと考えています。
勝ち負けにこだわり、過度なトレーニングや疲れさるだけのトレーニングは決して、子ども達にとって良いことではありません。
子どもは大人のミニチュアではありませんビックリマーク
大人と同じトレーニングをするのではなく、成長期の身体の特性をよく理解したトレーニングを提供していかなければなりません。
 
 
 
 
「プレ・ゴールデンエイジ」・・・・5歳頃~8歳頃
脳を初めとして体内に様々な神経回路が複雑に張りめぐらされていく大切な時期(神経系が著しく発達する時期で、一度神経経路が作られると、その後ほとんどトレーニングを行わなくても消失しにくい。)で、スポーツに関連した動作の習得や調整力(リズム、バランス、タイミング、協応力など)を養成しておく時期。
鬼ごっこ、ボール遊びなどを使った様々な遊び、それら一つ一つが、後になって貴重なものとなって身体の中に刻まれます。次に訪れるゴールデンエイジを生かすも、殺すも、この時期と言えます。この時期は多種多様な動きを含む様々な動きを経験させることが大切です。
 
 
「ゴールデンエイジ」・・・・9歳頃~12歳頃
神経系の発達がほぼ完成に近づきます。
この時期は、動作の習得に対する準備態勢と大脳の可逆性(脳・神経が柔らかいこと)の両面が高水準で整っているため、一生に一度だけ訪れる「即座の習得」が出来る時期で、必要なあらゆるスキル獲得の最適な時期です。
 
 
「ポスト・ゴールデンエイジ」・・・・13歳頃~16歳頃
発育のスパーク(スパート)期です。
骨格の急速な成長がみられ、支点・力点・作用点に狂いを生じることがあり、今まで出来た動きが一時的にできなくなることもあります。
新たな技術を習得するには不利な時期(即座の習得が出来ない)で、一つの動作を習得するのに、理屈(どのような意味があるのか)を求めるようになります。
13歳頃からは、呼吸・循環器系の発育が盛んになり、持久力の養成において効果的な時期です。
この時期のトレーニングにはより細心の注意が必要です。
過度な運動により傷害を招く可能性が発生しやすいのもこの時期ですから、注意深く接していく必要があります。