気が付けば先月のこと…
時間が経つのは早いです。

ご挨拶が遅れました。
(。・ω・。)



劇団空感エンジンproduce
『君死にたまふことなかれ』


全12公演。
無事に終演致しました。


観に来てくださった皆様。
キャストの皆様。
スタッフの皆様。


本当にありがとうございました! (≧▽≦)



君死にたまふことなかれ
すめらみことは戦ひに
おほみずから出でまさね
かたみに人の血を流し
獣の道で死ねよとは
死ぬるを人のほまれとは
おほみこころのふかければ
もとよりいかで思されむ


…大東亜戦争敗戦後。

戦時中軍事工廠だった場所に‘女子挺身隊’として、かつてこの場所で働いていた女性たちが集まった。


『…私、日記を書いていたんです。
その日記を元に、女子挺身隊のことを本にしようと思いまして。』


それぞれが語る過去。
戦争の記憶。



オファーを頂いたのは3月。

脚本を頂いて、役が決まったのは稽古開始の二週間前でした。
つまり本番三週間前。


正直に言うと…
最初は出演するか悩みました。


ずっと戦争ものに出たくて。

でも、やるからには作り込みたくて。


それでも私が出演に踏み切ったのは‘女子挺身隊’というテーマでした。

女性たちの‘戦争’。
なかなか女性視点での作品はないと思います。

ひめゆり…は有名ですが。
戦争がテーマの作品は、やはり主たるは男性というものが多い気がします。



『君死にたまふことなかれ』。

脚本を読んだだけで、出演して良かったと心から思いました。

とても難しい作品。
まるで文学作品のよう…というのが第一印象でした。


現代人の価値観を押し付けない、ただ女子挺身隊そのものを見せようという細やかでリアルな描写。

そこに表れる心情があまりにも辛いものなんですけどね…



辛いといえば…
シングルキャストは辛かったですね…
(。・ω・。)笑


1日三回公演の日。
ゲネと本番、四回通した日。

精神的も体力的にも鍛えられました。
いい経験ができました。
(〃'▽'〃)



そして今回は本当に良い座組でした。
キャスト、スタッフさんに恵まれました。


とても仲が良くて。

出会って一週間とは思えないくらい、楽しさから辛さや悲しみも共有できました。

切磋琢磨。
お互いに言いたいことを言う、意見できる、フォローし合える。

理想的な姿勢でした。
毎日が幸せで、楽しかったです。

ありがとうございました。
みんなに支えてもらいました。
(*^-^*)



今回頂いた‘石川早苗’役。


脚本を頂いた時点で、自分には絶対配役されないだろうと思っていました。


とても重要な役。
この女子挺身隊の中でも年齢的に若い役です。

私は実年齢よりも年上を演じることが多いので…


『まるちゃんが落ち着いた年上が出来るのは分かってるから、今のうちに年相応の役を演らせたかったの。
早苗をどう演るのかが見てみたくて。』


まず…
若さに苦労しましたね(笑)

はしゃぐ芝居なんてあんまりしたことないですから。
『Juliet』のミーコくらいかな?
(x_x)


でも前半は本当に楽しく演れました。

食事のシーンもみんな口を揃えて『楽しいから大好きなシーン』だと言っていました。
(≧▽≦)


前半で人間らしさというか、女子挺身隊だろうが戦争中だろうが現代の私達と同じなんだっていうのを出したくて。

食事中は楽しくお喋りするし。
友達と寄り道もする。
からかい合ってふざけたりもする。

憧れの男性もいるし。
恋だってする。


脚本には明確にありませんが、私演じる早苗は柳沢少尉に恋をしておりました。

淡い淡い、初恋。


その初恋が儚く消えて。
さらに、友情が崩れ去ります。


…辛かった。
後半は本当に辛いお芝居でした。

辛かったら笑え。
きっと早苗はそういう子だと思います。

それでも、暗い戦争の影は早苗の心にも影を落とします。


…死が間近になること。

出兵。
本土決戦。
竹槍訓練。

身近な、死。

自身に迫る、死。


そして…敗戦。


明暗が前後くっきりと分かれる早苗は、人の強さと弱さの振り幅を大きくはっきり出しました。

早苗は、とても人間らしいというか。
若さ故に出てしまうというか。

そういう子にしたくて。


軍事教練を受けていようが。
戦時中の教育を受けていようが。
多分、恐いとか悲しいとか…感じると思うんです。


女子挺身隊。

彼女たちの目に映った戦争。


観て下さった方に何を伝えたかったかと聞かれると…
私は‘女子挺身隊’のことを伝えたかったとしか言えません。


『戦争はいけない』なんて、経験していない私は言えません。

それこそ現代の価値観。


『私達のしていることは正しいのでしょうか…』


…あの書類を燃やした時。
きっと彼女たちもそれで苦悩した筈ですから。



皆様、ご来場ありがとうございました。

キャストのみんな。
いつかまた共演できるのを楽しみにしてます。

そして、脚本・演出家の麻衣子さん。

早苗を演れて良かったです。
ありがとうございました。

ずっと一緒に演りたかったと言って下さって嬉しかったです。



これからもより一層精進致します!
頑張ります!
(`・ω・´)


*+*・:.丸山小百合.:・*+*