インタビューまで待てない!!ローランド・ボック | 団塊Jrのプロレスファン列伝

インタビューまで待てない!!ローランド・ボック

どうも!!流星仮面二世です!!


なんと今月28日に発売されるG-SPIRITSであの幻の強豪、地獄の墓堀人ことローランド・ボックがインタビューに登場します!!というメールを独断小僧 さんからいただきました!!


あのボックのインタビュー!!これはすごい!!絶対に読みたい!!早く読みたいぃー!!と衝撃を受けたのはもちろんですが、さらに衝撃なのが独断さんがメールをくださるときの状況でした。不思議なんです。小鉄さんが亡くなられたときもそうでした・・・なぜか独断さんからのメールは、我が家が家族で回転寿司に行ったとき高確率で届くのです。今回もです・・・おおミラクル~!!


まぁそんなわけでですね、今回はボックのインタビューまで待てない!!ということで、おさらいもかねて幻の強豪を振り返ってみたいと、こう思うわけなんですね。


今回、ボクの持っている本や雑誌で、できるだけボックのことを調べました。何分古い情報なので間違えていることもあるかもしれませんが、そこはひとつ大目に見ていただいて・・・これを読んでG-SPIRITSでのボックのインタビューを楽しみに待とうじゃないですか!!さぁ前哨戦、いってみようぜ!!


えーローランド・ボック。と・・・ボクは古舘さんの実況がどうしても耳に残っているのでそう呼んでしまうんですが、実際はローラント・ボックが正しいようです。日本ではローラン・ボックが最も浸透している呼び名ですね。


ボックは1944年8月3日、西ドイツのガイスリンゲン出身ですが、ボックの生まれた3日後、空襲がありボック一家はシュツットガルトへ移住したそうなんですね。つまりボックはガイスリンゲン生まれのシュツットガルト育ちということらしいです。家族は父がポール、母がマリア。奥様はソーニャで長男ローラン、長女ビアンカとふたりの子供がいるそうです。


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愛娘ビアンカちゃんと。画像は2歳のときのもの。現在は30歳くらいかな?


ちなみにお兄さんはビアンカちゃんより14歳年くらい年上で、高校時代はレスリングではなく空手をやっていたそうですよ。


さてボック自身がレスリングを始めたのは14歳のとき。その後ペラコーギ高校というところに進学すると本格的にレスリングに取り組むようになり、のちにシュベビスムンド大学へ進むと、ここでもレスリングに没頭する毎日だったといいます。そんなボックのアマチュア時代の主な戦績は1961年の西ドイツ・ユース選手権フリースタイル優勝を皮切りに65年イギリス・マンチェスター開催の世界選手権でフリースタイル8位。同年西ドイツ開催のヨーロッパ選手権でグレコローマン4位。66年アメリカ・オハイオ州ドレド開催の世界選手権でフリースタイル6位。68年のメキシコシティ・オリンピックに出場。スタイル、順位は不明(ボックのインタビューでフリースタイルで出場し5位になったというものがありましたが、グレコローマンで出場し11位という記録もあり、事実がわからないので不明とさせていただきました)70年のカナダ・エドモントン主催の世界選手権で7位。ドイツ選手権においては実に優勝23回という輝かしい記録を持ちます(注:データが古いので正確でないものがあるかもしれませんのでその辺はご了承くださいね)


プロデビューは73年。ハンブルグでオスカー・ラゴという選手と対戦し、3分ほどでボックがスープレックスで勝利したとあります。その後、ヨーロッパにおけるプロレスのトーナメントで常に上位に位置し、頭角を表しますが・・・ヨーロッパ・マットから出ることのなかったボックは世界のプロレス界に知られることもなく、我々日本のファンにその存在が伝わってくることもありませんでした。当然、そうなればメジャーな対戦相手と戦う機会もなかったわけですね。


しかしそんな中で75年にミル・マスカラスと、79年にはアンドレ・ザ・ジャイアントと対決が実現しています。


マスカラスとの一戦はヨーロッパではよくあるトーナメントでの試合で、ボックによればフロント・スープレックスで勝利したというような話でありますが、なんせ資料がありません・・・うーん、あのマスカラスとボックの対決かぁ。一体どんな試合になったんだろうなぁ~?


アンドレ戦は、アンドレをスープレックスで投げたという逸話が今なお残っている伝説的な試合ですね。


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アンドレvsボック


しかし、残念ながらその投げている映像や写真は存在しなく、また信憑性に欠ける部分もあり真実はわからない点が多いようです。つくづく伝説だらけなんですね~ボックは・・・


さぁ、そんなボックですが、わずか一試合にしてその名が日本に伝わることになります。そう、78年11月26日。現在にまで


“シュツットガルトの惨劇”


と語り継がれる、西ドイツのシュツットガルトで行われたアントニオ猪木戦ですね。


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ボックvs猪木


今でこそ理解できるところも多いですが・・・当時のプロレス界において、これほど論議を呼んだ試合はありませんでした。


この試合でボクがボックを見た感想は・・・ちょっとコアな意見なんですけどね、ボックはプロレスラーなんだけど、やっていることはレスリングでしたね。プロレスのリングなんだけどレスリングなんですよ。いや、もちろんプロレスの技も、エルボースマッシュとかボディスラムとかヘッドシザースなんかも使ってるんですよ。使っていますけど、プロレスラーがプロレスで使っている感じでなく、レスリングの選手がプロレス技を使っているような、そんな印象を受けましたね。


動きや技なんか見ると・・・フリースタイルでも実績のある選手ですが、グレコローマンがベースでフリースタイルが強いレスリング選手だったんだと、そう感じました。なのであまりタックルは得意じゃなかったんではないかと思います。それとボックは関節なんかはおそらくできなかったんじゃないかな・・・グラウンドの展開もプロレスの動きや、関節にいくようなコントロールではなく、相手を反転させるための動きやフォールに持っていくためのコントロールなんですよね。そんなレスリングのグラウンドテクニックなんですよね。


総括すると相手にあまり付き合わず、レスリングの技術とパワーで押していく、そんな感じであったのではないでしょうかね。


それと・・・ジュペール・ペールワンのときも言いましたが、やっぱりすごいのは猪木ですよね。確かに試合はセオリー無視のボック相手に思うようではありませんでしたが、この試合でボックの相手が猪木でなかったら、まず成立しないし、ボックが後世まで幻の強豪と言われることもなかったはず。単なるおもしろくない試合をするレスラーとして、記憶にも残ることができなかったとボクは思いますねぇ・・・


かくして、この試合をキッカケに新日マットについに登場します。初来日は81年7月のサマーファイトシリーズ、その記念すべき第一戦は木村健吾でした。


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木村vsボック


わずか1分半で必殺のダブルアーム・スープレックスを決め勝利。そのあと長州力と対戦し、こちらは3分半で勝利。幻の強豪がベールを脱いだ瞬間でしたが、この来日では過去にあった交通事故による後遺症の体調不良などもあって猪木と対戦することはなく、シリーズ最終戦でも長州・藤原組とタッグマッチを行って終わっています。ちなみにこのシリーズ最終戦のメインはマスクド・スーパースターと猪木の覆面剥ぎマッチで・・・試合前リングに上がり握手を求めてきたボックに、向こうへ行け!!とばかり握手を拒否したマスクドがかっこよかったです。


その後、同年の暮れに再び来日。ここではなんとスタン・ハンセンとタッグを組み猪木・藤波組と対戦するというミラクルが実現しました。


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異様なツーショット・・・


ハンセンがタッグパートナーだったということで刺激されたのか・・・?それまでとちがう早いテンポにツープラトンの攻撃、そして相手をロープに振るなど・・・この試合、おそらくボックが現役時代の中でも一番プロレスラーらしい試合をした一戦ではなかっただろうか?とボクは思うんですがどうでしょうか。


試合はボックが藤波をダブルアーム・スープレックスに決めフォールを奪い勝利。年明けの元旦決戦へ遺恨を繋ぎます。ちなみに先に紹介したボックの息子、ローランがこの日リングサイドで観戦していて一瞬テレビに映し出される場面がありました。一方、ハンセンはこのとき最後の新日本シリーズ参戦・・・全日本へ移籍直前のときでした。


翌年、プロレス初の元旦興業として後楽園ホールで行われたこの大会で、日本マットでついに猪木vsボックのシングルが実現します。試合はヨーロッパ式にラウンド方式。ボックのスロイダーや、初対決では見られなかった延髄斬りもボックに炸裂しましたが・・・結果はなんとロープ越しにスリーパーを仕掛けたボックの反則負けという超消化不良の結果に。


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試合後、立会人ゴッチを挟み納得のいかない猪木


当然、こんな結果はファンは望んでいなかった。再戦だ!!それにIWGPもある!!しかしボックがその後、日本のリングに上がることはありませんでした。そのかわりに入ってきたニュースは、事故の後遺症による体調の悪化、そして脱税で逮捕されたというショッキングなものでした。こうしてボックは伝説だけを残しフェードしていったと、いうことなんですね。


さぁーみなさん、どうでしたか?G-SPIRITS楽しみですね!!発売日、幻の強豪に、会いに行こうぜ!!