映画「ボーダータウン 報道されない殺人者」
寝る前にDVDで映画を観るのは、僕にとって至福のひとときなんですよ。ハラハラドキドキのサスペンス映画や、ちょっと怖い系のものなんかが好きなんだけど、どんなに刺激が強い内容でも、観終わればすんなり寝られてしまうという得意技を僕は持っています(笑)
昨晩はアメリカ映画の「ボーダータウン 報道されない殺人者」という社会派サスペンス映画を観ました。ジェニファー・ロペス、アントニオ・バンデラスといった大スターが主演、監督はグレゴリー・ナヴァ(僕は初めて知りました)、2006年製作なのにアメリカでの公開は難航したそうです。というのは、アメリカ中米貿易政策に批判的な内容だからです。
事実をもとに脚色された映画です。アメリカ国境近くにあるメキシコの町、フアレス。アメリカをはじめ日欧の企業の工場が多く集まるここでは、この10数年間で5,000人近くの若い女性がレイプされ、殺され、行方不明になっているそうです。貧困にあえぐ町、若い女性は安い賃金で重労働を工場で強いられています。そんな女性たちを狙って連日起きている事件。でも警察や政府までもがこの事実を隠蔽している。なぜか?アメリカの中米自由貿易協定によって、企業が富を得ることが最優先されているから。アメリカに輸入されている安い電気製品は、こういった若い女性の命の代償というわけです。人間の命なんて取るに足らないもの・・・ この映画はそんな悲劇を暴こうとする2人のジャーナリストの姿を追っています。
映画的にさまざまな脚色を施していることは、監督さんも認めているようだけど、どうやらこれは実際に起こっていることのようです。だから映画の公開に関しても、相当な政治的な圧力があったようで、何と監督自身や、出演者でさえも、さまざまな脅迫行為を受けたそうです。恐ろしいですよね。でもその勇気を称えたいと思います。
おぎやはぎさんも何かの番組でこの映画のこと、薦めていたけど、僕も同じ意見です。
グレゴリー・ナヴァ監督 のインタビュー↓
http://movie.nifty.com/cs/interview/detail/081010017241/1.htm