あふれるほどの金銀財宝を得る…幸運をもたらす?全惑星順行(APDM)NO5 | ヘミシンクピンポンパン

ヘミシンクピンポンパン

ヘミシンクと幽体離脱体験記

 

私はなるだけ平静を勤め《ハイなんでしょう》と応じた。私の前には凄まじく重々しい威厳を持った人間のような…としか言いようのない人物が台座の上に座っていた。王座のような椅子ではなかった。それは人の姿をしていたが、どう見ても人ではない何か恐ろしげな存在で、しかし怪物とか、化け物とか、悪魔とかではなかった。あるいは神だったのだろうか。ハイアーセルフも恐ろしい姿をしているが、私にはこれはまた別のものとして感じていた。

(続く)

 

―――――――――――――――――――――――

《幸運をもたらす?全惑星順行(APDM)…あふれるほどの金銀財宝を得るNO5

この存在の後ろには炎の形をした黄金の屏風がたてられており、それは全面におどろおどろしい模樣が刻まれ、この怪異な存在とともに辺りを圧殺するように睥睨していた。この悍ましい姿をした怪人物はヘルメットのように見える帽子みたいなものを、鬼のような物凄い目のすぐ上のところまで深くかぶっており、仰々しい服を着て笏を持って構え、私を見下ろしていた。

 

左右には家臣みたいな人が座っており、物々しい雰囲気で私は唖然として彼らを見上げながら、もしかしてこれは閻魔大王なのではないかと思い始めていた。この存在は言葉を続け、圧倒されやや興奮している私に向かって再び《聞け》と言った。それは空から落ちてくる雷のような轟音として私の内部に突き刺さるように響き、私はますます不安になってきた。

 

「これはお前にとって決して悪いことではない」

何をふっかけられるかと思ったら、意外やまともな言葉であるように思え、私はいくらか安心し質問した。そして取り敢えずこの存在をエンマと呼ぶことにした。

 

私「これとは何ですか?」

エ「これから起きることだ」

私「悪いことが起きるというふうに聞こえるのですが」

エ「そう思うか」

 

私「全てはうまくいっていると言うのでしょう?」

「それは悟りみたいなもんですよ」

「そんな風に思い込むには、とてつもなく無理とか努力が必要なのです」

「場合によりけりですが…」

「…無意味です…そんな言葉は無意味だ」

 

何が起きるのかも聞かずに私は、この存在、エンマが何を話し出すのかを予期したのか、勝手な思い込みから不満をぶちまけて抗議していた。《全てはうまくいっている》《全てはうまく回っている》本当に最悪のときにもそう思える人はいないだろう。そのふりをしたり、口先だけの人がたぶんいるだけなのだ。妄想という言葉はこういう上から目線で、人に指導や説教をしたがる成りすま師や成り腐師にこそよく似合う。

 

エ「逆らってはいけない~~~」

「贖ってはいけない~~~」

 

《逆らうな、贖うな》この言葉は大きな鐘の中で鳴り響くように、それはまるで宇宙中に轟き渡るかのように私の内と外を激しく揺さぶった。しかし何を意味しているのか、何に対して逆らうな、贖うなといっているのか私にはわからなかった。

 

私「あなたはどなたですか」

エ「地獄を司るものだ」

私「っと言うことは!…やっぱり閻魔大王様だ」

エ「そう思うか…」

「それはお前自身の目だ」

「お前が自らを見るときの視線だ」

「自らを見よ」

「それがエンマだ」

 

私「それならば、何が起きているのです?」

「何が起きるのです?」

「何故、私の目にそれが見えないのです?」

「私の視線を何故、私が感じることができないのです?」

エ「しっかり受け止めよ」

 

エンマは私の質問には応えず、私に何かを送ろうとした…が、しかしそうはせず、さらに言葉を続けた。まだ私に受け取る準備がなかったのかもしれない。

 

エ「お前は豊かになれる」

「あふれるほどの金銀財宝を得る」

「何不自由ない暮らしが待っている」

私「最高です」

「ありがたいことです」

 

あふれるほどの金銀財宝…神がこのような言い方をする時、それをどのような意味合いで使おうとしているのか、私は過去の経験からそれなりに心得ているつもりだ。あふれるほどの金銀財宝とは、健康で丈夫な体や、小さく慎ましくとも雨風をしのげる家や、そこで幸せに暮らしていける家族や、周囲の素晴らしい人間関係や、仕事のことなのだ。

 

それは本当にどんな金銀財宝よりも価値あるものだ。だが何故この二つ、心と物、幸せと金はまるで対立しあう仇みたいにして向き合い、いがみ合うかのように並べられるのだ。二つとも手に入れる者もいるというのに、なぜ心の幸せだけが金銀財宝なのだ。私は知ったかぶりを慎むふりをし、あくまで言葉通りにそのまま受け取り、それについて謙虚な態度を装い質問してみた。

 

私「どのようにして私は金銀財宝を得ることができるのです?」

(続く)

マサト