NYC 2013 | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

9日(水)


予定より1時間近く早く、朝5時にJFKに到着。

7時にはペンステーションに着いてしまい、

ペンステーションそばのニューヨーカーホテルの

ロビーで3時間近く過ごす。

ここはサンディのときに一時避難したホテルです。今回は平和。


10時になり、そばのシネコンに向かい、

『ジャンゴ 繋がれざる者』鑑賞。

QTらしいブルータルでゴアな描写が冴えわたる。

前半が特に良かったが、しかし長い。

主役は完全にクリストフ・ヴァルツでした。


14時になり、ようやくいつものチェルシーの宿にチェックイン。

夜は、トライベッカでドン・コスカレリ監督の新作

『John Dies at the End』と、代表作『ファンタズム』の

豪華ダブル・フィーチャー!

チケットはsold out!!! だったのだが、運よく一枚チケットをゲットでき、

観てきました。

『John Dies』は昨春ボストンで鑑賞済みなのだが、

やはりトリッキーでクレバーなSFホラー。

『ファンタズム』はなんと35mmのプリントでの上映!

全篇色味が紫色がかっていたのだが、DVDでしか観たことがなかったので感激。

一度スクリーンで観てみたかったのだ。


終映後には、Q&Aを行ったドンと再会。

間もなく公開になる『John Dies』のプロモーションでNYを訪れていたのです。

去年ボストンのアンダーグラウンド・フィルム・フェスティバルで初めて会い、

その後メールインタビューさせてもらったのですが、

ちゃんと僕のことを覚えていてくれて感激。

談笑し、友人たち(『プレスリーVSミイラ男』の女優とか)を紹介してもらい、

素敵なひと時を過ごしました。

次回は日本で再会できるといいなあ。


10日(木)


『トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーンPart2』鑑賞。

試写がなかったので見逃していたのだが、

というか別に観る必要もなかったのだが、一応シリーズ前作観てきて

最後だけ観ないのも気持ち悪いので鑑賞。

首チョンパの数がなんと10を超えるという、突然の切株映画

ぶりに驚愕。前作も、2時間近いタンポンのCMが突如『エイリアン』

に変貌を遂げるホラーっぷりだけはそういえば面白かった。

今作では日本人ヴァンパイアも出てきます。

相変わらず滑稽な描写の連続だったが、場内の他の観客(女性しかいませんでした)も

かなり爆笑していたので、心置きなく笑えて楽しかった。

最後はしかし、『ファニーゲーム』というか『SAVAGES』というか、

禁じての巻き戻しがあって、ああ最後の最後まで馬鹿映画だなあ、さすが。

とちょっと呆れつつも感服しました。


『Texas Chainsaw 3D』鑑賞。


予想通り、お粗末。

「悪魔のいけにえ」続編だが、一作目の約20年後の設定。

ソーヤー一家の生き残りのティーン女子が

祖母が相続してくれたテキサスの家を訪れたら、

おっさんになったレザーフェイスが隠し部屋で生きていました。

というお話。


身体も小さく、動きが重く迫力がないラザーフェイスの

悲哀とか危機一髪が観られます。

そんなもん観たくないよ!

神秘性を失い、狂気のカリスマが消失したレザーフェイスは、

完全に過去の存在でした。

ソーヤー一家あってこそのレザーフェイスだということもよくわかる。

KNBのゴア描写は健闘しているし、アルマジロの死体もいい感じだが、

過去の栄光を無理やり蘇らせて欲しくなかった。


セミヌードも見せてくれる灰色の瞳を持つ爆乳アレクサンドラ・ダダリオの

熱演は光るけど、明らかにキャリアを台無しにしていると思う。

3Dの立体感も子供だましで、貧相でした。


夜は、BOWERYでHospitalityのライヴ。

前座のHouseholdと、Teenも良かった。

特にTeenは一年前のアルバム・リリース前に観て、

下手なバンドだなあ・・・と思っていたら、驚くべき飛躍を遂げていてびっくり。

Hospitalityは、観るの三度目。抜群のメロディが光る秀逸なライヴバンドでもある。

ヴォーカルの子のルックスが良かったら、大ブレイクしていたのだろうなあ・・・。