アメリカのインディー・シーンを騒がせている
噂のデュオ、ガールズの初来日公演。
最前列の真ん中で観た。
アルバムは1枚しかリリースしていないが、
新曲も含む80分に及ぶ熱のこもったショウだった。
顔が小さく体が細い、フロントマンのクリストファーは、
高いヒールの白い革靴をはいていた。
黒と白の水玉の半そでシャツの上に、赤い長そでシャツ
着用というユニークないでたちだったが、
ステージパフォーマンスも足をクロスさせる動きが
独特でトリッキーで、興味深いものがあった。
それよりも、髪の長いサイドギタリストがジェンダーレスで、
男性か女性か判別がつかなかったのだが、
声を聞いたら男だった。
元々二人組のバンドなので、この日のように4人編成だと
アルバムで聴くよりも当然アレンジが違う曲が多く、
スペイシーなギターサウンドによりサイケ色が濃くなっていたり、
テンポとリズムを緩めている曲もあった。
初めて彼らのライヴを観たが、まだ粗い部分もあるが、
これからもっと良くなるのではなかろうか。
アルバムで聴く以上に、幅広い音楽性を兼ね備えた
フリーキーなバンドなのだな、と感じた。
動の部分よりも静の部分を強調しているように感じられたので、
今後はさらにローファイ・フォークな方向に向かうのかもしれないが、
ディストーションの効いたラウドでシューゲイザーなギターの
轟音もまた聞かせてほしいものである。
前半、4曲目ぐらいに、彼らは「Darling」という曲を
前日亡くなったばかりの、ジェイ・リータードに捧げていた。
そのとき、クリストファーはなにを思いながら歌っていたのだろう。
人生は短い。