Girls live at Astro Hall 1/14/10 | Just for a Day: 小林真里ブログ

Just for a Day: 小林真里ブログ

映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

アメリカのインディー・シーンを騒がせている

噂のデュオ、ガールズの初来日公演。

最前列の真ん中で観た。

アルバムは1枚しかリリースしていないが、

新曲も含む80分に及ぶ熱のこもったショウだった。


顔が小さく体が細い、フロントマンのクリストファーは、

高いヒールの白い革靴をはいていた。

黒と白の水玉の半そでシャツの上に、赤い長そでシャツ

着用というユニークないでたちだったが、

ステージパフォーマンスも足をクロスさせる動きが

独特でトリッキーで、興味深いものがあった。

それよりも、髪の長いサイドギタリストがジェンダーレスで、

男性か女性か判別がつかなかったのだが、

声を聞いたら男だった。


元々二人組のバンドなので、この日のように4人編成だと

アルバムで聴くよりも当然アレンジが違う曲が多く、

スペイシーなギターサウンドによりサイケ色が濃くなっていたり、

テンポとリズムを緩めている曲もあった。

初めて彼らのライヴを観たが、まだ粗い部分もあるが、

これからもっと良くなるのではなかろうか。

アルバムで聴く以上に、幅広い音楽性を兼ね備えた

フリーキーなバンドなのだな、と感じた。

動の部分よりも静の部分を強調しているように感じられたので、

今後はさらにローファイ・フォークな方向に向かうのかもしれないが、

ディストーションの効いたラウドでシューゲイザーなギターの

轟音もまた聞かせてほしいものである。


前半、4曲目ぐらいに、彼らは「Darling」という曲を

前日亡くなったばかりの、ジェイ・リータードに捧げていた。

そのとき、クリストファーはなにを思いながら歌っていたのだろう。


人生は短い。



【100%】過剰なライター/翻訳家 小林真里の rock n' roll days-girls