Animal Collective live @ Llano Estacado 2/24/05 | Just for a Day: 小林真里ブログ

Just for a Day: 小林真里ブログ

映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

今年来日公演を行ったアニマル・コレクティブ

ですが、来年1月に早くもニューアルバム

「Merriweather Post Pavillion」をリリースします!


【100%】過剰なライター/翻訳家 小林真里の rock n roll days-AC

【100%】過剰なライター/翻訳家 小林真里の rock n roll days-MPP


今回は2005年2月、僕がニューヨークに移り住んだ

直後に初めて体験した彼らの衝撃的なライヴの

レポートをお届け(某SNSに書いてあったもの)。





 大雪となった本日、MIGHTY ROBOT改め、
THE LLANO ESTACADOなるクラブがオープン!

ライヴ・スケジュールを見て、これはもしや?
と思っていたのですが、「NO ID、喫煙OK」という
イリーガル万歳!なMIGHTY ROBOTコンセプトを継承。
そして、MIGHTY ROBOTクロージングの日にずっとカメラ
を回していたあそこの仕掛け人と思しきおやじも
今日いたので、間違いなく「新生MIGHTY ROBOT」
だと思います。

そして、こけら落としに選ばれたのは、
N.Y.発、暴力的な癒し系バンドANIMAL COLLECTIVE。
明日のBOWERY公演はSOLD OUT、そして本日の公演も
勿論SOLD OUT!

会場は、BEDFORD駅を降りて、徒歩10分。
廃墟と化した倉庫の地下に、そのアングラ・ライヴハウス
はありました。そこはまるで、「ファイトクラブ」の
アジトのよう。
フロアはコンクリ打ちっぱなし。狭いステージはなんと、
材木が積まれているだけの、はたしてそれをステージ
と呼んでいいのか分からない代物。
簡易トイレの壁はずばり、ビニールシート。
キャパは昔のON AIR EASTぐらい。
ぎゅうぎゅうに詰め込めば、700人は入りそう。

今日も定位置の最前列真ん中を無事確保。
開場時刻から待つこと1時間半。オープニング
アクトのStorsveit Nix Noltesが登場。
メンバー総勢9名という大所帯なので、ギタリストが一人
ステージに上がれないのが、なんか新鮮で面白かった。
北欧のバンドだと思うのだが、曲はインストのみ。
トランペットが肝で、あとはチェロとアコーディオン、
ヴァイオリン、アコギとエレキギター、ウッドベース、
ドラムが脇を固める。
牧歌的でピースフルでしかも踊れるという、ロックの
範疇に収まらない、画期的な音を鳴らしておりました。
チェロとバイオリンのお姉さんがちゃきちゃきしていて
豪快でよかった。
世界には未知なる音を鳴らすバンドがまだまだたくさん
いるのだということを肌で感じた。

30分ほどのセットチェンジの後、遂にANIMAL COLLECTIVE
が登場。実は音源を聴いたことはなく、しかしそのバンド名
はアンテナに引っかかっており密かに期待しての
ライヴとなったのだが、これは、衝撃的なライヴでした。

太古の呪文を唱えるようなリチュアルなヴォーカル、
マイブラに変身しかかっているRADIOHEADみたいな
美しく凶暴なノイズの洪水。

ヴォーカル&ギター、ギター、サンプリング、ドラムという
布陣で、ドラムが決して座ることはなく立ちっぱなしで
たまにエフェクトとしてヴォーカル(という名のシャウト)
を入れていたのが興味深かった。
最後の曲では、ドラマー既に姿を消していたし。

テキサスorニューメキシコ生まれな風情のヴォーカル兼
ギターの彼は、やさしく過激に囁いたり咆哮したり、
素敵な二面性を披露。
エドワード・ノートンになりそこねたブラッド・レンフロ
みたいなルックスのギタリストは、時折ネイルピッキングで
オリジナルなギターサウンドを掻き鳴らし、
エクスペリメンタルなロック魂を炸裂。
ケビン・スミス似のサンプリング担当は、
目の前で卓台いじって時折絶叫して踊り狂っていた。

酔いしれましたね。陶酔感に浸り、瞼が下がってくる
あの身も心も痺れ酩酊する感覚。
なにかに取り憑かれたかのように、音が体中の細胞を
支配するその一時。

ニューヨークのロックシーンは、奥が深く底がありません。


【100%】過剰なライター/翻訳家 小林真里の rock n roll days-AC

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