curious case | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

絶賛年末進行中で師走ってます。


最近体を動かさずとも、脳をフル回転させて頭を

酷使したら大変寝つきがいいことに今頃気づきました。

どういう理屈なんだかわかりませんが。

そんなわけで近頃消灯する前に横になったらバタン休だ!

ヘルプ!誰か部屋の電気を消しに来て!

そんな小人か妖精募集中!!!


で、最近色々と興味深い映画を観ているので、

ここらで一度アウトプットしておきます。


『007/慰めの報酬』


【100%】過剰なライター/翻訳家 小林真里の rock n roll days-700


監督が『ネヴァーランド』『主人公は僕だった』

『君のためなら千回でも』のマーク・フォスターなので

密かに期待していたが、これはこの15年間ぐらいの

007シリーズで一番の出来では!

ボンド・ガールのオルガ・キュリレンコの深いエメラルド・

グリーン色の瞳に引き込まれました。

タフで果敢なアクションも様になっていて非常にクールなんです。

カーチェイス!ボートチェイス!飛行機チェイス!

とチェイス三昧でアクションの迫力も十分なのですが、

唯一冒頭のカーアクションはカメラの動き速すぎだし

あの編集はどうかと思いました。

しかし、スマートでエレガントなエンタテイメントですよ、これは!!



『フェイク・シティ』


【100%】過剰なライター/翻訳家 小林真里の rock n roll days-king


ネガティヴ・ライフを送る無精髭面のダーティ・コップ、

キアヌ・リーブスが開巻早々中途半端にトイレでゲロを

吐くクライム・サスペンス。

原作&脚本ははジェイムズ・エルロイでした!

話はL.A.舞台のモロ、ブラック・ギャングスタ・ムービー

なんですが、どうせならアイス・キューブとスヌープ・ドッグと

デンゼル・ワシントンとロバート・ダウニーJr.で作って欲しかった。

クライマックスでのキアヌとフォレスト・ウィテカー(akaアミン大統領)

の攻防は、人食い大統領(黒い鶴瓶)の大迫力に

地球に警告に来たゴート連れの宇宙人もたじたじの様相で、

愉快愉快。



『エレジー』


【100%】過剰なライター/翻訳家 小林真里の rock n roll days-erogy


アメリカ文学界の重鎮フィリップ・ロスのごりごり重厚な原作を

分かりやすくバランス良く脚色できてました。

文学界のちょっとした権威で大学教授のベン・キングスレーの

セックス・ビーストぶりと孤独で哀愁を感じさせる二面性と、

ペネロペ・クルスの官能美など二人芝居が際立つ作品。

デニス・ホッパーとデボラ・ハリーが夫婦という設定も

恐ろしかったが、それ以上に驚愕だったのが、

ベンとデニスのキス・シーン。

劇場で、度肝を抜かれてください。



『ベンジャミン・バトン 数奇な運命』


【100%】過剰なライター/翻訳家 小林真里の rock n roll days-button


フィッツジェラルドの短編の映画化。

バレエ・ダンサー、ケイト・ブランシェットのゴールドな輝きが

あまりにもまばゆかった。

老人として生まれたベンジャミンさんの人生という名の

数奇なジャーニーは、そこそこ波乱万丈だけど、幸せそうでした。

幼少時代の小さいおじいさんのブラッド・ピットは、

ホグワーツ魔法学校でちょこちょこ出てくる

執事みたいな人に似てました。

ドラマ映画なのに150億円の製作費を使いきった

デヴィッド・フィンチャーの心意気は買いだ!!

上映時間は2時間47分と長尺だけど、全体的に重層的なようで

シンプルな構成。