MMT hits NYC !!!! | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

これまでにも散々このブログで書いてきた、

北村龍平監督のハリウッド・デビュー作、

『ミッドナイト・ミートトレイン』ですが、

なんと!

今週の金曜日と土曜日の二日間、

ニューヨークで上映されることになりました!!!


そうなんです、まさに僕がニューヨークに到着する

19日とその翌日の20日にニューヨークプレミアです!!!

なんて完璧のタイミングなんだろう!!!!

実は先週、本気で韓国まで観に行こうかと考えて、

航空券代やツアー料金を調べてた者なもんで

(結局、旅費が予算以上だったので断念)

嬉しすぎて、涙が出そうですよ、これは。


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上映劇場は、Lower Eastsideにある、アート系の映画を

メインにかけるシネコン、Landmark Sunshine Cinema。

ここは週代わりで、毎金曜と土曜の深夜から、

旧作から数年前の作品まで名作・カルト映画を

上映しているのですが(僕は過去にこのミッドナイト上映で、

『ブルー・ベルベット』『パルプ・フィクション』『シャイニング』

『モールラッツ』などを観た)、今回は新作ながらもその枠の中で、

正に映画の舞台であるNYのミッドナイトに、真夜中の人肉列車が

出発進行する運びとなったわけです。


詳しくはこちら!!!


http://www.landmarktheatres.com/Market/NewYork/NewYork_Frameset.htm


既に全米で封切られたのに、なんでこれが

ニューヨーク・プレミアなんだよ?

と思う人もいるかもしれません。


確かに8月1日に全米100館で公開されたとき、

ニューヨーク「州」のある町では封切られましたが、

ニューヨーク=マンハッタンを含む5 borrowsでは、

公開されていなかったのです。


そう、実は、批評家や業界人、ホラーファンたちから絶賛

されている本作なのですが、公開された劇場はすべて、

ど田舎の僻地、しかも$1シアターと言われる、

その名の通り入場料金が$1や$2の三流映画館だけだったのです。

宣伝費も使わず公開の告知も一切されず、
ホームページも未完成のまま映画は封切られたのです。
しかも、アメリカのシネコンの場合、

オンラインでチケットが購入できるのが常なのですが、
これもほとんどの劇場で買えないように画策されました。

これは、スタジオとの契約上一応劇場公開はしたけど、
この映画を葬り去るために、誰も見れないように公開した、

というライオンズゲート(というか悪の首謀者である

新社長ジョー・ドレイクの)悪意に満ちた社内テロが

全面的に押し出された最悪の結果となってしまいました。

生き馬の目を射抜くような、何が起こってもおかしくない

ハリウッドでも、これは異例の事態。


これに対しクライヴ・バーカーは激怒し、自身の

ホームページ上でジョー・ドレイクを名指しで非難し

怒りを大爆発させ、北村監督を擁護。
アメリカの人気ホラーサイト「Bloody Disgusting.com」では、
公開前から『ミッドナイト~』をちゃんとした形で公開しろ!
署名運動をスタートさせそれが過熱し、多くのファンたちが
ライオンズゲートに電話をかけメールの嵐を送りつけました。

とどめに、この公開形態に疑問を感じ怒りを爆発させた

同サイトは公開時に、ホラーファンがどれだけ

この映画を求めているかアピールするため、

さらにライオンズゲートのこの理不尽なやりかたと

横暴ぶりをストップさせるために、

『ミッドナイト』のチケットの購入促進運動を始めました

(一部の劇場では購入できたのです)。
多くの賛同者たちが、観に行けないエリアの劇場の

チケットを10枚20枚と購入しました

(僕も10枚だけですが買いました)。
その結果、初日三日間のボックスオフィスはアベレージが
高く、チャートでも十二分に健闘したのです。

『ミッドナイト・ミート・トレイン』の全米での劇場公開は

このような形になってしまいましたが、

今後DVDが発売されて大きなリアクションを得ることが

期待できますし、それ以外の国ではちゃんとした形で

封切られて、成績もリアクションも良いです。


来年の日本公開も、なんとか盛り上げていきたい次第です!