ヒーローのヒーローたる所以を思いました | 松村マサル子の日常に訊け!

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役者・松村マサル子の日常で起こったことや感じたことを綴ります

今日FBを見てたらさ、新日のプロレスを絶賛する海外ファンの評価みたいなページにぶつかったのね。とりわけジュニアについてなンだけど。「OH、日本人の手にかかればプロレスはCOOLになってしまう」「AH、日本人の進化の技術に底がないぜ」、そうねぇ、そうなのかも知れンねぇ。「まったく相手を倒そうとしてない優しいプロレスは驚異的だ」、こンな意見まであったり。

そうね、日本のプロレスは、少なくとも新日はすっかり変わっちまったンだね。もはや昔からのプロレスの定義みたいなモノはドッカ行っちまったね。時代が変わったってコトになンのかな。
ジミースヌーカ、アニマルウォリアー、ポールオーンドーフ、キングコングバンディ。こういった、かつて一世を風靡したレスラーたちはそンなカテゴリーに入ンないわな。

男女含む50人以上の元レスラーが団体を提訴。WWE(前身のWWF含む)が試合に伴う脳障害のリスクを隠し、レスラーの健康や安全を犠牲に企業利益を得たと強調。原告が頭痛・めまい・記憶障害などに苦しみ、スヌーカ氏やオーンドーフ氏は精神的混乱や抑うつ状態も経験したと主張している」。そういうニュースを目にしたのは昨夜のコト。特に驚くコトもねぇけど、だけど薄っすらとガッカリするような気持ちはある。
ダイナマイトキッドみたいに車椅子になってる男もいるし、オーエンハートみたいに入場前の天井から転落死した男もいる。だけど、ソレで裁判になったって聞いたコトはないンだよなぁ。いや、もしかしたら俺が知らないだけかも知ンないけど。ステロイドでハゲたホーガンとかね。あ、同じくステロイドの影響をサベージは訴えてたかも知ンないな。

あんま言いたかねぇけど、ぶっちゃけ、プロレスって芝居じゃん。元来はソレを隠すためにリアリティのある演技が求められたワケだ、だから相応のハードな試合が求められたワケだよ。

ソコにゃレスラーとしてのプライドがあったと思うンだよね。どンなコトがあってもケガをしないだけの肉体を作り上げて、何をされてもアドリブ可能な技術を身につけて。そンなバックボーンがあるからこそプライドを持てたと思うのよ。

馬場さんが言うトコの、レスラーはデカくなきゃいけないってヤツとリンクすると思うのね。コレって言葉を変えればさ、レスラーは一般人と一緒じゃいけない、レスラーはスーパーマンでなきゃいけない、そういうコトだと思うのよ。パッと見でフツーの人間じゃない、一発でレスラーって分かるようでありたいってコトだと思うのさ。
古い事例を出すと、ハンセンのラリアットで首を折られたブルーノサンマルチノ。カーンのニードロップでヒザを折られたアンドレジャイアント。コワルスキーに耳を削がれたユーコンエリック。この手の事故は多々あるけど、ソレでプロレス的な抗争に発展したコトはあってもリアルなケンカになったって話は一切聞かない。裁判なんざもってのほか。ケガした時は受けられない自分が悪いって定義だったからなンだよね。プライドってのはそういうモンだと思うのさ。
ソレ言ったら、バックドロップで死ンだ三沢光晴だって同じコトだよね。アレなンて完全に自分が悪いじゃん、コンディション不良にしてた自分が悪いってコトでしょ。悲しいコトではあるけど、誰にも責めらンない。まぁ、三沢自身が社長だったからコレについちゃアレだけどさ。

80年代に活躍したレスラーって、フツーに異次元な存在だった。とても一般人にマネの出来ないコトをやって輝く存在だった。どうせなら死ぬまでそンな存在でいて欲しかった。ソレが長年のプロレスファンの本音だよ。
少なくとも俺はそう思いたいね。最期までヒーローでいて欲しかった。保障とか金の話はしてもらいたかなかった。

やっぱ時代が変わったってコトになンのかなぁ。まぁね、今のWWEを昔の自分が見たら果たしてどう思ったやら。今も軽く引く部分はあるけど、80年代の俺が見たら全否定してたかも。ミッキーロークの『レスラー』だよね。レスラーってのは悲しい存在なンだよね、実際は。