そン時は、とりあえずって感じで目薬をもらって。でも点眼しようにも、どうにもこうにもハンパねぇビビリなヤツだからさ、これがまた難しいのよ。のんびりと甘えてきたトコを不意を突いて1滴差して。「おぉう!ナニですかぁ!」みたいな。いくらバカとは言え、1回こういう“恐怖な場面”に出くわすとさすがに警戒するワケで。その壁をどう突破するかに腐心してた俺なのさ。
今日はね、その目の手術当日だったのさ。ホントは明日の予定だったンだけど、明日は映画撮影があるから無理言って今日に変えてもらったのね。まぁ、別に俺が行かなきゃいけないってワケでもねぇけどさ、一応ね。これも一つの愛のカタチよ。どうでもいいけど、病院の先生もパンチの効いたいい味出してんなぁ。
両親の家庭菜園用軽トラの荷台に括りつけて連れてったンだけど、動き出したらもうそれだけで怖がってるからね。もうさぁ、どんだけビビリやっちゅーねん。病院に着いたら、「えっ?ここってナニですかっ?ナニされるですかっ?」。マジ、うるせぇよ、オマエは!写真の診察台に乗せるのにも一苦労だからね。
でもそこはやっぱプロだね、バカもこの宇宙人的シャンプーハットを被せられるとおとなしくなって。犬って自分の後ろを視認できないとおとなしくなるンだってね、へぇ。これから麻酔かけて手術します、うっすら麻酔が解ける5時以降に迎えに来て下さい、と。ハイ、お願いします。
迎えに来ました。おいおい、全然うっすらじゃねぇじゃん、フツーにテンション全開じゃん。でもね、目近辺を切って縫ったから少し毛を剃られてさ、ちょいと痛々しいね。しかも手術痕らしい血を拭いてねぇし。…かなり痛々しいね。よしよし、早く帰ろうな、オマエの嫌いなクルマに乗って。
ちなみに病院にはこんなコマーシャルもあって。いいねぇ、よし、今度やってもらお。いやね、去年春に実家に帰ってきてからず~っと思ってたのよ、このバカを洗いてぇなぁって。昔、俺がもらってきたパグは定期的に俺が洗ってたのね、フロ場で。でもこういうバカをタイル貼りの密室に閉じ込められて、いきなり嫌いなシャワーなんて浴びせられた日にゃパニックだぜ?まぁったく、分かってねぇ両親だぜ。甘やかすのは愛情の逆行だって分かってねぇンだよ。ま、それはそれとしても。プロだったらシャンプーの気持ちよさを伝えてくれるンじゃねぇ?ウン、やってもらお。
しばらく宇宙人スタイルは続くと思うけどね、とにかくは頑張ってくれよ。あ!もしかして、俺担当の朝の散歩ってこのまんまで行かなきゃなンないのか…。軽く恥ずいなぁ…。