部屋割り論法を初めて数学の原理として確立した人はドイツの数学者ディリクレであるといわれています。このためこの原理のことをディリクレの部屋割り論法,ディリクレの原理とも言うそうです。また,引き出し論法や鳩の巣原理という言い方もあるようです。
部屋割り論法:「いくつかの部屋に部屋の数以上の人数の人を入れると2人以上入る部屋が少なくとも1つある。」
この部屋割り論法(ディリクレの原理)についてのたいへん分かりやすい例が
- 根上 生也
- 計算しない数学―見えない“答え”が見えてくる!
(根上生也 著 青春新書P60~62)に紹介されていました。引用して紹介させて頂きます。
・1個のさいころを連続して何回か振る。必ず同じ目が出るようにするためには,少なくとも何回さいころを振ったらよいか。 7回。なぜなら,さいころの目は1から6までの6通りしかないから。
・8人以上の人が集まると,必ず誕生日の曜日が同じ人がいる。なぜなら,曜日は日曜日から土曜日までの7つしかないから。
・ジョーカーを覗く52枚のトランプの中から5枚のカードを引くと,必ず同じマークのカードが出る。マークはスペード,ハート,クラブ,ダイヤの4種類しかないから。
・日本人が48人集まると,必ず出身都道府県が同じ人がいる。なぜなら,都道府県は全部で47しかないから。
・サッカーチームの選手たちが好き勝手に背番号を決めたとする。その番号は何桁の数でもよい。このとき,必ず背番号の末尾が同じ人がいる。なぜなら,サッカーチームの選手は11人以上なのに,背番号の末尾になりえる番号は0から9までの10通りしかないから。
・レオナルド・ダ・ヴィンチの有名なフレスコ画「最後の晩餐」でキリストと十二使徒を併せた十三人の中には,誕生月が同じものがいる。なぜなら,月は全部で1月から12月までの12通りしかないから。
参考文献:話題源数学