江口昌記の 月のうさぎ -2ページ目

秋を歩きながら想うこと


「かっこ悪いということは
 なんてかっこいいことなんだろう」


タカをくくって挑戦しない者は笑う


恥を知れ 。

歳を知れ 。

己を知れ と。


でも
かっこ悪くとも挑み続ける者でありたい


ぼくらは
自分の未来をたぐりよせて

かっこよく生きていきたいんだ





秋を歩きながら想うこと

photo by Autumn at IU / StevenW.



0562015

今日も土の中


どれほど
すばらしいアトラクションも

美も


感動も
瞬間も
息をのめばエグリコムのに

目を向けないのなら
今日もなにも起きないさ

今日もキミ土の中
息を止めてる


だれかが生きている世界を感じないから
きみも生きないんだ






今日も土の中

Grettel Sees The Day / Visual image provided by Alyssa L. Miller


0552015

べっぴんさん




  雨にぬれても立っているんだね





べっぴんさん

Photo by MasakiEguti



0542015

自画像のオブジェクト



広い空の見えるところに最近行きましたか

今日ぼくは土手にいて
広い空を背景にしました

ひとりを生かすことにとりつかれてしまったので
どれだけ広い空の下にいても

ぼくの目の中に空がありました

悲しみも悔しさもこの場所に似合わないのに
ぼくはぼくの目の中の空をのぞきこんでいたのでした

今日ぼくは土手にいて
広い空を背景にしました

うすぐれた空なのに

今日ぼくは広い空を背景にしたのでした






自画像のオブジェクト

Photo by MasakiEguti




0532015


花に薬指。



過去の人に伝えたいことはあるかい

連れ帰るのがオレの役目なら

キミはきっと

残ることが生き方なんだよね



思い出すたび

心が色を失くすんだ

手を縛られた身勝手


なくした者だけがみる夢があるのなら

笑い顔だけが冬の胸から離れていくんだね



「悲しみだけでは やさしさに育たないの」



ああオレさ

やっとわかった気がするんだよ








花に薬指。

Wherever You Go, There You Are / Visual Images provided by Alyssa L. Miller
 


0522015


花は咲くもの なのにね。



 その時間とひきかえに
 失っている君の価値に


 ご愁傷様 。




花は咲くもの なのにね。

Photo by MasakiEguti


0512015



かりそめの今


「雲の上にはなにがあるの?」

「みわたすかぎりの雲が晴れることはあるの?」

子が親に訊くように
ぼくらは自分と声を交わす


こがね色はひとときのもの

みえる色 みえるもの 
みえる景色 みえる果て 

それはかりそめの今

雲の上に 空があり 光があり
希望がある
でもそれもかりそめの今

空の上には漆黒の闇があり
声の無い宙があり
生気の失せる絶望がある

でもそれすらもかりそめの今
ぼくらの生きている今は
そのはざま

命と死と高揚と傷心と
打ち寄せる波と砕け散る歓喜
その海と大地と空と宙のはざま
荒れ狂う風の吹くそこにいる

海にいて大地にいて
雲をみて空をみて
漆黒の闇をすかし
宙までもがみえるとしても

ぼくらの今はいつだって
かりそめの今でしかない

答えようの無い今はただ
まだ見えぬ星々のように

こがね色に頬を染めているだけ






かりそめの今

Photo by 山根 和子


0502015

Liar Liar



 「嘘つき」って サ


 ごめんなさい


 っ て

 嘘をつくんだ ヨ







Photo by MasakiEguti


0492015



ぼくは友達

まわりじゅうが嘘だらけだとしたらどうだい


楽な方法は
きみもまみれることだ

だれともくいちがうことなくて
いつでも笑顔でいられるのさ


それができないものが
アーティストになれる

そして
きみはぼくの友達だ。



ぼくは友達

Back to School / Visual image provided by Phil Roeder




0482015


9000度の熱

長い間生きてきたんだろ
新しく手に入れる なんて思うなよ
いつまでも発見があるなんて
ガキみたいなこといつまでもたわけるなよ

きみは利口だしもうすでにきみは見つけた
もうすでにきみは一生分の安らぎは見つけた

忘れてしまっただけで
ご主人の手の中にあるエサだけを欲しがる犬ほどに
気にしなかっただけ

きみほど長く生きられない日々を過ごしたひとは
もうこの世にはいなくなったけれど
きみがぼんやりと見過ごしたことがらを
エキスを 髄を 心臓を 血流を血だまりにして
たたきつけたいくやしさを壁に食い込み刻み込み
めくれあがりはがれ落ちヒビ割れた爪だけ残して
命 尽きた

きみはなまけていただけで
きみはなまけているだけで
きみはなまっちょろいきゅーりみたいに
季節に遅れ
時季外れだ

生き返るなら
生きて起きあがり
よみがえるつもりなら

目からは血を流し
唇からは血へどを吐きだして
その手の平に残るその夏の送り火を
殺すほどの気合いを入れてつかみとれよ

キット

キット
キット だぜ
キット

その呪いさえ憎しみさえ突き刺したい殺意さえ
ツブレテヒキズル過去を呪うその9000度の熱を
渾身のその身に糧として起きあがれ

だれかを憎んだり世間やめぐりあわせの偶然と恨むのなら

おろかなり
おろかなりきみのバカ
きみだけをうらめ

生まれついてのバカ
These Foolish Things
きみのバカだけをうらめ







0472015