5年ほど
『東京カレンダー』で
原稿を担当していた
クルマの連載が、
現在発売中の4月号で
終了となりました。

(ちなみに今回取り上げたクルマは、
 RENAULT WIND ルノー ウインド。
 箱根のオーベルジュオー・
ミラドーで撮影しています。)

連載が終わる理由は、
『東京カレンダー』が
次号よりリニューアルするため。
(新たなクルマの連載は
始まるかもしれませんが…)
次号からも他のページで
少し関わりますが、
どう変わるかの全貌が
今から楽しみです。



そしてリニューアルと言えば、
実は今、メンズ誌が新装刊ラッシュ。

現在発売中の
『UOMO』
『Huge』
は大きく様変わりしてますし、
3月発売号からは
『東京カレンダー』
『GQ JAPAN』
がリニューアルします。
新装刊とはいかないまでも、
ほかにも小さくない
動きがありそうです。



過去にもリニューアルした
雑誌はたくさんありますが、
そのほとんどは効果が上がらず、
休刊 (=廃刊) に
なっているものが大多数です。

理由は単純で、
既存の読者が離れたからでしょう。
その雑誌が好きで
読み続けていた人は、
大幅なリニューアルを
歓迎するでしょうか?
きちんと流れを汲み、
それまでの文脈に沿った
リニューアルであれば
良いでしょうが、
内容が一変していたら、
違和感を持って当然。

既存の読者が離れる一方で、
新たな読者が根付くには
時間が掛かります。
目新しさや表紙の力で
一時的に部数は
伸びるかもしれませんが、
その雑誌を
読み続けるかどうかは別問題です。

定期購読の料金を
大幅に割り引くという手法も、
既存の読者を蔑ろにしている
という意味では同様。
年間の購読料を
半額にしている雑誌がありますが、
それ以前に申し込んだ読者は
どう思うでしょうか。

読者の新規獲得に走る余り、
長い間支えてくれた
読者を軽んじる姿勢には、
疑問を感じます。
雑誌を前もって
安売りするという方向性も、
関わる者として
好感が持てるものではありません。



リニューアルに話を戻しますと、
どこかで見たようなものの
焼き直しも多い気がします。
リニューアルというよりも
リバイバル。

時代の流れを捉え
敢えてリバイバルするなら
理解できます。
しかし、
作る側の目線では
細かい点で新しいと思っていて、
読む側から見ると
新しさがわからない場合も
多々あります。
“シーズ”と“ニーズ”の関係に
置き換えても
良いのかもしれませんが、
いずれにしても、
(既存の)読者のことを
大切にしながら
もう少し戦略的に
できないものでしょうか。

熱い想いがあるならまだしも、
読者を置き去りにして
“何となくカッコいい”
という感覚だけに頼るのは危険。

ファッションに詳しく、
カッコいいページが作れて、
クライアントからの受けもいい。
それで上手くまわっていた
時代なら問題ないのですが、
雑誌への出稿が減っている今、
センスだけで
成り立つとは思えません。



創刊から2年を迎える
『RUDO』は当初、
編集者がファッションを知らない
という理由で、
一部のブランドからは
煙たがられていました。

しかし、
私を含めた外部スタッフの
意見を素直を聞き入れつつ、
考え方を共有できる
スタッフに絞り込み、
編集者自身も
ファッションやファッション誌作りの
知識を蓄えるていく中で、
他誌との差別化を図ることに成功。
ひとつの雑誌、
ひとつのジャンルとして
視点やクリエイティビティを
確立しています。

読者からの反応も良く、
タイアップ広告なども
順調に増えています。
結局は、
ファンと呼べるような
読者が根付いてこそ、
雑誌の影響力が高まり、
広告も増え、
雑誌は成り立つものです。
広告から考えるのは本末転倒。



雑誌が好きだからこそ、
最近感じたことの一部を
とりとめもなく
書いてしまいました。
(長々とした駄文ですみません!)

紙の媒体がどう変化していくのか
という点も含め、
この春のメンズ誌の動向から
目が離せません…



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