富豪刑事 | Times goes on

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先月は全然本が読めなかった。

なにかと忙しい季節で、

寝落ちしながら、、ようやく読み切った本。

筒井作の 「富豪刑事」


なかなか軽く読める楽しいストーリーだった。

にもかかわらず、睡魔には勝てん、、といった感じだったがw


4つの短編が1冊になっているのだが、

富豪の息子(神戸大助)が刑事で

昔、父である(神戸喜久右衛門)が悪事で儲けた資産を使って

正義のために、そのお金を使って事件を解決していく。

また、それが悪さから足を洗った父にとって親孝行らしい。


想像すると、全くありえない姿が目に浮かんで面白い。

高級なスーツを身にまとって、

ハバナから取り寄せた葉巻を無駄に吸う大助。

真っ赤なキャデラックを乗り回し。

通常なら金持ちの息子でお高い感じなのだが

全然そんなではなくて、腰も低いし、頭も良いし、正義感がある。

金持ちでもギャップを感じられるというか、、

署内でも、富豪刑事といって有名らしい。

まあ、富豪刑事のお金の使い方はハンパない。

どんなお金の使い方をするのかは読んでみてもらいたい。


作者が時折、語り手になっているのだが

筒井康隆らしい送りで、面白おかしくふざけたコメディーサスペンスな感じもある。

1話の 「囮」 では、4人の容疑に疑いを掛けられた人物の様子を

すり替えながら場面の展開をさせて行く

同一の時空列の描写というのか?

それには筒井康隆独自の文字運びのテクニックに感心。

想像しながら面白かった。


他の刑事達もキャラクターが立ってて、

はじめはわかりづらかったけど

読んでるうちに4話目くらいには既に個性がわかり

印象も強く残って役に収まりも出てきて良かった。

筒井のストーリーにはいつも美人の女性が登場するが

今回は、喜久衛門の秘書(浜田鈴江)がそうである。

鈴江もなかなか活躍したね。


時間かかったけど

楽しかった。




※ 記憶のためのメモ


● 富豪刑事の囮

  

  5億円強奪事件の時効まであと3ヶ月。

  容疑者を4人まで絞れ、時効成立まで残りの期間で犯人を探す。

  ※ パーティー


● 密室の富豪刑事


   密室で起こった殺人事件のトリックを暴く。

   ※ 企業設立


● 富豪刑事のスティング


   とある町工場の社長息子の誘拐事件を暴く。

   ※ 身代金


● ホテルの富豪刑事

      

      暴力団の談合による治安管理。

   ホテル内での打ち合いの裏に隠された殺人事件の真相。

   ※ ホテル貸切




サクッとこれくらいまでで。

8月は本読めないかもな。