[ケン神父様のお説教] 主の降誕 | カトリック円山教会のブログ

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2014年12月24日(木)・25日(金)

主の降誕(24日 19時・23時/25日 10時)

カトリック円山教会

ケン・スレイマン神父


12月24日(木)/夜半のミサ 19時・23時

第一朗読 イザヤ9・1-3、5-6

第二朗読 テトス2・11-14

福音朗読 ルカ2・1-14


12月25日(金)/日中のミサ 10時

第一朗読 イザヤ52・7-10

第二朗読 ヘブライ1・1-6

福音朗読 ヨハネ1・1-18、1・1-5、9-14


みなさん、メリークリスマス!

みなさんの一番すきな映画はなんですか?

私は、サウンド・オブ・ミュージックが一番好きな映画です。

あまりクリスマスの話ではありませんが、とても喜びと愛でいっぱいの映画なので、いつもクリスマスの時期になるとみています。

みなさんも観たことがあるでしょう。

その映画が始まる時に、マリア様の乳母としての仕事の初めの日、大雨が降ります。

子どもたちは怖くなり、みんなでマリア様の部屋に集まります。

そしてマリア様は子供たちの怖い気持ちを和らげるために歌を歌います。

その歌の曲名は「My Favorite Things」です。

日本語では「私のお気に入り」という意味です。

最初の歌詞は

Raindrops on roses and whiskers on kittens

Bright copper kettles and warm woolen mittens

Brown paper packages tied up with strings

There are a few of my favorite things

バラに滴る雨粒と猫のおひげ

磨いた銅のヤカンと暖かいウールのミトン

茶封筒と紐に包まれた荷物

そういうものがわたしのお気に入り

その中で私は“Brown paper packages tied up with strings

という部分がとても懐かしく感じます。

若い方はたぶんその意味がわからないと思います。

なぜなら、今はお店でものを買えば、いつもプラスティックの袋やお店の名前が入った袋、ブランドのショップバッグに入れてもらっていると思います。

しかし、私の子どもの時代は、肉屋さんやパン屋さんに行くと、茶色の紙袋に入れてくれました。

2015年の袋に比べて奥ゆかしい雰囲気があると感じます。

アメリカ人はその茶色の紙袋に懐かしい気持ちがあるので、今でもスーパーでプラスティックか茶色い紙袋か選ぶことが出来ます。

どうですかみなさん、あなたはどちらを選びますか?

ブランドの名前が入った袋か茶色の紙袋か、どちらでしょうか?

クリスマスの時に私たちはこのジレンマと向き合います。

人間の歴史の中でもっとも有名な人であるイエス様は、みすぼらしい馬小屋の中で産まれました。

この状況で産まれた人は、あまり大切にされていないイメージがあるでしょう。

やはり特別な理由で神様がイエス様を馬小屋の中で産まれるよう選びました。

それは人間にとって重要なのは外側ではなく内側であるという事を表しています。

もちろんイエス様の素晴らしい内側のものは愛でした。

彼は大きくなり、自分の愛を人々に分け与えました。

イエス様の愛は私たちへのクリスマスプレゼントです。

クリスマスと私たちはどのような関係があるでしょうか。

みなさんの修道院、教会、家、仕事場、学校、社会という馬小屋のような厳しい雰囲気の中で私たちは生活しています。

任される子ども、両親、学生、患者、お客さん、同僚は美しい袋ではなく、茶色い袋に似ている人間です。

つらい体験、病気の苦しみを通して輝きが失われつつあるかもしれません。

しかし、クリスマスの物語を考えてみると、ひとりひとりは幼子イエス様と同じように大切な美しい人間です。

2000年前に幼子イエス様の誕生を喜ぶために両親であるマリア様、ヨセフ様がいましたし、羊飼いたち、学者たち、天使たちがかけがえのないイエス様のもとを訪問し、祝福しました。

それは私たちにとっても良い模範です。

厳しい状況に置かれている人々を勇気づけることです。

それはイエス様の姿勢でした。

先ほどの福音は、二人の王様についての内容です。

ひとりはローマ帝国のシーザー・アウグスティスです。

彼は世界の人々をコントロールするために、人口を数えました。

ローマ帝国は歴史の中で素晴らしいものをたくさん作りました。

2000年前の技術は、現代ではとても進歩しました。

しかし、その進歩は人間の働く環境を厳しいものに変えてしまいました。

もう一つの王国は馬小屋の中のイエス様です。

かれは権利と力を持たずに生まれました。

王座の代わりに動物のエサの上に座っていました。

シーザーの目的は、自分の素晴らしさを高めるために人々から税金をたくさんとったり、時間と命を奪ったりすることでした。

反対にイエス様は、人々を助けるために生まれました。

人々から奪うのではなく、与えることが目的でした。

2000年前のローマ帝国のシーザーは怖いイメージでした。

そして2000年前の馬小屋の中で産まれたイエス様は平和のプリンスでした。

今年のクリスマスは、偶然ですが「スター・ウォーズ」という映画が上映されています。

ご存知ない人のために簡単に内容を説明します。

二人のキャラクターが登場し、暗いキャラクターは「ダース・ベイダー」です。

彼は宇宙すべてを支配することが目的です。

宇宙の中に住んでいる人はすべて自分の奴隷にしたいと考えました。

反対に良いキャラクターは「ルーク・スカイウォーカー」です。

彼はダース・ベイダーを倒すために頑張っています。

人々の自由を守るためです。

ちょうど天使たちと悪魔たちが争っているような雰囲気ですね。

スター・ウォーズの映画は、人々の心の中のジレンマを表しています。

暗く悪い心と明るく良い心の葛藤が、物語の中で表現されています。

クリスマスの時にイエス様の上に素晴らしい星が現われたそうです。

この星に従えば、私たちは平和と愛を見つけることができます。

私たち人間は、暗闇ではなく光の存在です。

年に1回クリスマスに、この美しい飾りを見て、このメッセージを思い出します。

幼子イエス様から学んだことは、私たちも心の中に愛をたくさん持っているということです。

愛は自分のためだけではなく、他の人々を幸せにするために大切です。

今、テロが世界中で起きていますが、私たちの愛を配りながら、もっとハッピーな世界を作って行きましょう。

ありがとうございます。

Merry Christmas!!! HoHoHo