" 残穢 "
監督 中村義洋
原作 小野不由美
出演 竹内結子
橋本愛
滝藤賢一
佐々木蔵之介
山下容莉枝
篠原ゆき子
Mさんがまだ小学生だったとき
九州にある親類の家に泊まった
没落した炭坑王の土地を買って建てた古い家だった
その家には開かずの間があったが
つい開けてしまったMさんは
呻く声を聞き
床を這う焼けた河童?の手を見た
こんな原稿を編集者に渡す私は小説家だが
読者の投稿をもとにして
怪談雑誌に短編も連載している
*
すべての始まりとなるある手紙を
山下から受け取ったのは2012年5月だった
差出人は都内の大学で建築デザインを学ぶ女子大生
仮に橋本さんと呼んでおく
ミステリー研究会の部長も務める彼女は
郊外の小平市へと引っ越したばかりだった
築10年 5階建ての賃貸マンション202号室
橋本さんはその部屋に
何かがいるような気がするという
残
穢れ = 不浄。汚れ。
死・出産・疫病・失火・悪行
などによって生じ
災いや罪をもたらすとされる。
***
202号室
橋本1人なのに
背後の開けっ放しの寝室から
畳をホウキで掃くような音がする
写真を撮ったらオーブが写った
これは
成仏できずに浮遊する死者の霊的エネルギー?
いやいや
カメラのフラッシュに反射した浮遊するホコリ
私の夫賢一はホラー小説家だが
私以上に心霊現象否定論者だった
*
橋本さんから
同じ年の秋に続報が届く
掃くような音はまだ続いている
ある日、着物の帯のような布が見えた
掃くような音は布(帯)を引き摺る音で
首を吊った女性の帯じゃないかと思う
誰かがここで自殺したのかも
*
私はこの話をどこかで聞いたことがある
過去の手紙を探す
橋本さんと同じマンションの405号室の人からの
2年前に届いた手紙だった
*
*
2010年 6月
405号室
誰もいないはずの
背後の開けっ放しの和室から
畳をホウキで掃くような音がした
住人の娘は霊感があり
天井を指差し何か揺れていると言う
*
*
橋本さんが確認すると
405号室には別の家族が入居していた
マンションの住人に聞いて回ったが
ここで自殺があったと聞いた人はいなかったが
不動産屋に聞いても
過去にマンションで自殺や死亡事故はなかった
ただ
405号室はコロコロ人が変わる
202号室も前の人は半年もいなかった
*
隣の201号室に新しい住人
篠原夫妻子3人家族が越して来る
篠原夫は心配
何か相場より安いけど大丈夫か?
*
私たちは新居用に土地を購入
*
その半年後
202号室の前住者の消息が分かる
彼は202号室を引っ越してから
ひと月足らずで首を吊って自殺した
*
隣の201号室の篠原さんは
気味の悪いいたずら電話に悩む
*
地鎮祭
私たちの家がもうすぐ建つ
心霊現象否定論者でも
こういうことはしないと何か落ち着かない
*
私は橋本さんに会う
マンションが建つ前に
何があったか調べていく・・・
死者の祟りを描いた
ホラー
よりも主は
その原因を探る
ミステリー
主役の2人が
実話短編の作家と
ミステリー研究会の部長だから
調査は徹底的に行われる
調査で明らかになってゆく
祟りの原因とは.....
話ても祟られる
聞いても祟られる
引っ越しても祟りはついてくる
最後は怖い
映画を見てから原作を読んだが
映画は原作を
なかなかうまくまとめてあった
2016年 日本映画 107分
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