" 天城越え "
監督 三村晴彦
原作 松本清張
出演 田中裕子
渡瀬恒彦
静岡の印刷所を訪ねる
足を引きず男
静岡県警察本部 刑事部 嘱託、渡瀬
***
消化器造影検査を受ける小野寺建造
病院から印刷所に帰ると
事務員から渡瀬の名刺を渡される
刑事捜査資料(昭和57年7月)の印刷を頼まれた
中には
天城山ノ土工殺シ事件とか
(血まみれ土工のフラッシュバック)
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小野寺は42年前(昭和15年)
14歳の時、下田を家出し
印刷屋に奉公する修善寺の兄を頼って
天城峠を越えた
小野寺は未亡人の母が
若い男と情を結ぶのが
耐えられなかった
菓子屋と会ったり
呉服屋と会ったり
よろよろの土工とすれ違ったり
道半ばで日が暮れ始め
小野寺の心が折れる
もう帰ろうと思う
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昭和57年
原稿が刷り上がる
天城山ノ土工殺シ
事件発生当時の状況
昭和15年6月29日 午前10時
上狩野村湯ヶ島巡査駐在所より、
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昭和15年
下田署で電話を取る渡瀬
天城峠で害者不明の殺しがあった?
現場検証する渡瀬
山の中に散乱する
半被、鞄、傘、衣服
死体はなかなか見つからない
近くの氷蔵に
女みたいな小さい裸足の足跡
*
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小野寺(14歳)は天城峠で
裸足の裕子と出会った・・・
石川さゆりの"天城越え"は
小説とも映画とも関係ない
天城峠は下田街道の最大の難所だったが
明治37年(1904)に天城トンネル(445.5m)が開通し
多くの人が越えられるようになった
昭和45年(1970)に新天城トンネルが開通し
旧天城トンネルは生活道路の役目を終え
現在は国の重要文化財として観光地になっている
心霊スポットとしても知られる
田中裕子がなかなか出てこない
真犯人は最初に判ってしまうので
焦点は"なぜ"にしぼられるが
殺人が突発衝動的に見えてしまう
普通の精神ならそうしない、と思えてしまう
少年の心理変化を
もっと丁寧に描かないと
説得力がない
1983年 日本映画 99分
ブルーリボン賞 主演女優賞受賞
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