「 日本列島 」 | 0・・映画toほげほげ

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♪ ほげほげたらたらほげたらポン ほげほげたらたらほげたらピー ♪
★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " 日本列島 "


監督 熊井啓
原作 吉原公一郎
出演 宇野重吉
   芦川いづみ
   二谷英明
     鈴木瑞穂
     武藤章生
     庄司永建
     歌澤寅右衛門
     大滝秀治


紙の上に群がる蟻
紙は隅からゆっくりと燃えて灰になる
紙の上の蟻

   ***
  昭和34年(1959)

 日本はアメリカに255の基地を提供している
 その基地の1つ埼玉のキャンプスコットへ
 北海道の基地からポラック中尉が転勤して来た
 彼の任務は
 このキャンプの陸軍憲兵司令部CID課長である

 CID(米陸軍犯罪捜査コマンド)は
 米軍人が関係する犯罪を捜査する私服刑事部で
 宇野はこのCIDの通訳主任だった

宇野はポラックから個人的に頼まれる
 去年の夏、東京湾で
 神奈川CID本部のリミット軍曹の死体が発見された
 だが、本部の発表は
 リミットが何故死んだのか大変あいまい
 昔リミットはポラックの部下だった
 その真相を調査してほしい

宇野は同僚歌澤と調査を引き受ける
宇野重吉

 *
宇野は警視庁へ

廊下で様子を伺う
新聞記者の二谷と相棒武藤
二谷英明

宇野は事件の担当だった捜査三課鈴木警部補に頼み
資料を見せてもらう
鈴木瑞穂

それは奇妙な事件だった

  **
 昭和33年(1958)8月
 東京湾の岸壁に若い外人の死体が浮いた
 兵席番号から
 米国陸軍神奈川キャンプCID本部リミット軍曹と判明
 ただちに東京水上警察署で日米合同捜査会議が開かれた

 米軍は死体の早期引き渡しを要求
 死因が明らかなる前に待ち去った

   *
 リミット軍曹は3週間前羽田空港で
 迎えに来た妻の小林厚子29歳と食事を共にした
 リミット

 食事が始まるとリミットは急に立ち上がり
 慌てて出て行った
 分かってるのはそれだけ

 その後捜査員の連日の努力にも関わらず
 何の手がかりも得られなかった
 唯一の手がかり死体は米本国へ送られ
 捜査部長もお手上げ

 そして15日目
 神奈川キャンプCID本部で捜査発表
  リミットは水死ではない
  死因は永久にわからないかも

 二谷記者も捜査課長に食ってかかるが
 記事にでるような事実は発表されず
 事件は泡沫のように消え去った

  **
 警視庁科学捜査所
庄司所長も交えて事実の確認
CID本部の資料を調べて来た歌澤
歌澤寅右衛門

あった資料は「死因は事故と判定」だけ
誰かがファイルを消した

米軍にも圧力がかかった、らしい
圧力はどこから?

 *
宇野はリミット曹長の
横浜でのかつての生活を洗い始める

病に伏せる厚子の自宅を訪ねる
厚子

厚子は宇野が女学校で先生をやっていた時の教え子だった
だいぶ弱っている
当時の思い出話をして
本題には入れず

 *
宇野の家を二谷・武藤記者が訪ねる
宇野重吉

二谷は1年前事件を取材していたが
うやむやに終わった

彼の掴んでいる情報は
リミット曹長のポケットから出てきた地下鉄のキップ
闇ドル偽ドルの受け取りとして一時使われていた
裏には整然と統一した相当な組織がある、と思える

アメリカでも偽ドルが流れていて
FBIが追っ掛けても分からん、らしい

そこで宇野への頼み
その偽ドルを取り寄せて調べてもらいたい

 *
二谷・武藤は宇野と厚子の家を訪ねる
更に弱っている
厚子

謎の男から口止めされていたが
あの時リミットは
 僕は大滝に狙われている
 やっぱりザンメルが、、、
と、漏らしていた

厚子は息を引き取る

 *
鈴木警部補の調べでは
かつて
神奈川県稲田登戸の第九陸軍技術研究所で
インドルピー、米ドル、ソ連ルーブル、中国法幣の偽札
偽パスポートを作っていた
鈴木瑞穂

当時のドイツ製印刷器ザンメルと技術責任者は
終戦後行方不明になった

 *
宇野は技術者の娘いづみに会いに行く・・・



   芦川いづみ



   戦後7年間
   日本に存在した米国諜報機関

   キャノン機関の存在、
   資金調達のからくりに迫る
   重厚なサスペンス・ミステリー



   映画はフィクションだが
   ドキュメンタリー風


   重厚過ぎて退屈な部分もあるが
   全てがフィクションという訳でもなく
   背景には真実が見え隠れ


   どこまでが本当で
   どこまでが嘘か



     題名の"日本列島"は
     1972年に返還されるまで
     米国の一部だった沖縄に対し
      それでも日本列島さ
     の劇中のセリフから



   映画に名前が出てくる事件

   下山事件、昭和24年7月
   国鉄総裁山下が失踪
   翌日線路脇で轢断死体となって発見された
   他殺・自殺両面から捜査が行われたが
   警視庁は公式の捜査結果を発表することなく
   捜査を打ち切った

   松川事件、昭和24年8月
   福島県松川を通過中の機関車が脱線
   重さ1,000kg近いレールが1本外されていた
   犯人は特定されなかった



     昼夜関係なく
     轟音を発して飛ぶ米軍戦闘機が
     米国・米軍の傲慢の象徴

     かと言って日本には
     自国を守るだけど戦闘能力はない
     元寇の時代とは訳が違う


 二谷英明


1965年 日本映画 116分



     現在日本には

   米軍専用施設が
   11都府県に58ヶ所
   自衛隊との共同利用施設が
   10都道県に28ヶ所ある

   その常時利用面積のうち
   74%が沖縄県にある
   次いで青森県  7.7%
      神奈川県 5.9%
      東京都  4.2%と続く

   米軍常時利用施設面積の
   それぞれの都道府県に占める面積比は
   やはり
   沖縄県 10%と断トツに高く
   次いで
   神奈川県 0.75%
   東京都  0.59%
   青森県  0.25%と続く



   その中で何が起こっているか
   日本の警察に捜査権はない