監督 黒沢清
原作 乾緑郎
出演 佐藤健
綾瀬はるか
オダギリジョー
染谷将太
小泉今日子
中谷美紀
朝食を摂るはるかと健
いままでずっと一緒
これからもずっと一緒だといいね
風に舞う机の上の
描きかけの漫画原稿
***
１年後
美紀医師は健にセンシングを説明
センシングは他人の意識に入り込む最先端医療
健ははるかの意識に入ろうとしている
はるかは１年前に自殺未遂した
今は深い昏睡状態にある
センシングを行えば
脳内の仮想現実で普通に会話ができる
ちょっと夢を見るような感覚
センシング状態は通常数時間で自然に終了するが
どちらかが強く拒否すれば中断される
２人をインターフェイスでつなぎ
センシング開始
*
健はマンションのドアを開ける
机に向かい漫画を描くはるか
リアルでグロテスクな画風
死ぬ直前まで連載していた"殺人鬼ルーミィ"
お帰りなさい
締め切りが迫ってるの
首長竜の絵って覚えてる？
小学生４年の時私が描いたでしょ
それを健にプレゼントしたじゃない
やだ、覚えてないの？
あの首長竜の絵完璧だったの
探して来てくれない？
あの絵をもう一度見たら
私、漫画家としての自信取り戻せると思うの
私、変なの
時々ペンの重さを感じなくなるの
ここは現実じゃないんだよ
はるかの意識の中だ
１年前にはるかは漫画の仕事に行き詰まって
自殺未遂したんだよ
湾岸の堤防から海に飛び込んだんだ
覚えてない？
覚えてない！
私は漫画で忙しいから
*
センシングから覚める
健は首長竜の絵を探す
センシングには副作用がある
相手の意識が残留し幻覚を見る
見覚えのない少年とか
健は首長竜の絵を探す
再婚した母今日子が住む家にも行く
絵は見つからない
２度目のセンシング
*
健はマンションのドアを開ける
水浸しの寝室の床に座り
漫画を描くはるか
お帰りなさい
原稿が全然進まないの
もう締め切り過ぎちゃったかなぁ
私、もう終わりなのかなぁ
首長竜の絵は？
見つけてくれないの？
机に向かい漫画を描くはるか
健は床に横たわる３体の死体を見る
死体は気味悪く立ち上がり
健の方へゆっくり歩き出す
原稿に死体を描き終え
はるかは振り返り静かに微笑む
ここは私の意識の中でしょ？
だからどうにでもなるの・・・
近未来ＳＦ
黒沢清監督らしい
サイコ・ホラー風味
自分さがしのミステリー
なかったことにした
苦しいなおもいでは
こころのおくそこで
ちくちくと棘をさす
2013年 日本映画 127分
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