監督 クリスティアン・ペツォールト
出演 ニーナ・ホス
ロナルト・ツェアフェルト
ヤスナ・フリッツィ・バウアー
ライナー・ボック
1980年 東ドイツ
ベルリンの壁崩壊の9年前
とある田舎町の病院の小児病棟に
赴任してきた女医バルバラ
病院の前で一服
吸い終わった煙草はポイ捨て
それを窓から見つめるロナルド医師と
秘密警察シュタージの諜報員ライナー
諜報員の調べでは
バルバラは時間前には出勤しない主義
怒りん坊
拘留により友人は失った
バルバラの前の勤務先は
東ドイツで最も権威のあるシャンテ大学病院
バルバラは無表情
鋭い眼差し
寄る者を拒む孤立的態度
人民警察に強制的に連れて来られた少女ヤナス
髄膜炎の診断はすぐつく
おそらくダニ媒介性脳炎
ヤナスは矯正収容施設から逃走し
6日間草むらに隠れていた
その間にマダニに噛まれたか
髄液を採取
休日
バルバラは電車で遠出
森の中のレストランへ行き
ウェイトレスから封筒を受け取る
中身は札束とメモ
ヴィッテンベング方面
右手の森 19日18時
帰り道
バルバラはメモを破り捨て
札束を隠す
夜
ライナー諜報員による家宅捜査
女諜報員による身体検査
ロナルドは
ヤナスの髄液から血清を作る
彼女の妊娠に気づく
ロナルドは
見た目以上に優秀な医師
田舎の病院には不釣り合いな
研究施設もある
ヤナスは
バルバラ以外の医師の診察を拒否
妊娠が本当なら
堕ろさないと大変なことになる
東ドイツでは
19日18時
バルバラは西ドイツ在住の恋人と再会
森の中で服を脱ぐ
バルバラの密出国の手はずは整う・・・
内容をもう少し判りやすくするなら
邦題は
東ベルリンから田舎に来た女
または
東ベルリンから来た東ドイツから出たい女
何故バルバラが
監視付きの生活になったかは不明
東ドイツに住む彼女が何故
西ドイツに住む男性と恋仲になったかも不明
恋愛+社会派ドラマ
最終的には
東ドイツの男に惚れて
国のイデオロギーには関係なく
密出国はやめる
彼女にとっては
男だけが
東か西かの基準だった
当時の東ドイツの社会事情は
新車を手に入れるのには
申し込みから納車まで7~8年かかったとか
監視体勢がかなり厳しかったとか
概ねこんな感じだったらしい
平等を掲げた社会主義
しかし
平等な社会を望むのは平均以下の人間
平均以上の能力を持つ人間が
平均以上の仕事をしても
平均の生活しか出来ない社会に
平均以上の人間は不満を感じる
平均以下の能力しかない人間が
平均以下の仕事をしていても
平均の生活が保証される社会では
人間は手を抜くことを学ぶ
平等を掲げた社会主義は
社会を停滞させ崩壊する
![東ベルリンから来た女](https://stat.ameba.jp/user_images/20140609/07/marumaruhiko/52/31/j/t02200124_0800045012967473898.jpg?caw=800)
2012年 ドイツ映画 105分
ベルリン国際映画祭 監督賞受賞
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