原作 藤沢周平
出演 豊川悦司
池脇千鶴
吉川晃司
戸田菜穂
関めぐみ
村上淳
小日向文世
岸部一徳
城内春楽殿で舞われる能「殺生石」
神妙な顔の物頭 豊川
海坂藩藩主 村上
側室 めぐみ
物頭 小日向
中老 岸部
能が舞い終わるのを待って
豊川はめぐみを脇差しで刺し殺す
豊川物頭
二百八十石取り
性格は謹厳実直
極めて穏やかな人物というのが
もっぱらの評判だった
兆しは一切なかった
1人で事におよんだ
妻女を病で失い子供はいない
斬首お取り潰しは覚悟の上
執政会議でも
斬首やむなしで固まるが
中老岸部が異議を申し立てる
そして
豊川に申し付けられた沙汰は
一年の閉門
百三十石に減石
物頭の役儀御免
斬首を覚悟していた豊川には不本意
豊川は自宅の納屋に幽閉される
食事の世話をするのは
豊川の亡き妻女の姪千鶴
*
豊川の妻菜穂は
病気がちだった
菜穂は千鶴を引き取り
家に住まわせていた
お上は明るいうちから奥御殿通い
側室めぐみに骨抜きにされた
![関めぐみ](https://stat.ameba.jp/user_images/20140425/00/marumaruhiko/7a/2c/j/t02200124_0800045012919236607.jpg?caw=800)
めぐみはお上の御用部屋まで入り込み
執政方が差し出した倹約令の建白書に
好き勝手に墨を入れ中身を骨抜きにした
家老たちはあきらめてご注進をしなかった
奥御殿のご入用金見積もりを
減らそうとした勘定方は
めぐみの怒りを買い腹を切らされた
小日向物頭は豊川と友人だった
2人で酒を飲み
小日向は内輪話をする
先頃始まった興牧院の建て直しの件で
上様と別家は不和になった
興牧院は上様には所縁の深い寺だが
この財政難の折の再興に
御別家吉川が意見をした
そもそも再興は側室の発案だった
寺院の普請が終わった暁には
側室の父親を寺の当主に据える考えとか
上様は耳を貸さず
吉川は側室と上様の怒りを買った
*
幽閉中の豊川
豊川は子供の頃
鳥もちで鳥を刺すのが得意だった
そして一年
豊川は閉門御免
近習頭取を申しつかるが・・・
![池脇千鶴](https://stat.ameba.jp/user_images/20140425/00/marumaruhiko/ad/6b/j/t02200124_0800045012919238281.jpg?caw=800)
藤沢周平の『隠し剣』シリーズの
3作目の映画化
1作目は「 隠し剣 鬼の爪 」
2作目は「 武士の一分 」
「 武士の一分 」の原作は「盲目剣谺返し」
以上2作は山田洋次監督
海坂藩は七万石の想定
家老クラスで千石かもう少し多いか
物頭は足軽大将の別称
石取りは家老の3分の1以下
さほど高い位ではない
前2作とかなり違う
監督の違いではなく
筋立ての違いによる
壮絶
3作の中では1番見応えあり
でも
妻が死んだからといって
妻の姪とねんごろになるのは
どうかと思う
それと
鳥もちによる鳥の捕獲は
基本生け捕り
ならば
別の展開も考えられたのでは
主役豊川が
謹厳実直過ぎだ
必死剣鳥刺し
もはや剣法ではない
鍛錬のしようがない
![豊川悦司](https://stat.ameba.jp/user_images/20140425/00/marumaruhiko/ce/04/j/t02200124_0800045012919238937.jpg?caw=800)
2010年 日本映画 114分
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