" THE LAST SAMURAI 侍 "
監督 エドワード・ズウィック
出演 トム・クルーズ
渡辺謙
ティモシー・スポール
真田広之
小雪
小山田真
中村七之助
1853年日本、黒船来航
1861年米国、南北戦争勃発
1865年米国、南軍の降伏により南北戦争終結
1867年日本、大政奉還
1868年日本、王政復古
1876年日本、廃刀令発令
1876年米国建国100年、サンフランシスコ
北軍として戦ったクルーズ大尉
銃製造会社の宣伝マンに成り果て
今は酒浸りの日々
その頃日本では
明治政府に対する不平士族が
不穏な動きを見せていた
明治政府は米国に
軍隊養成専門家の派遣を打診
武器の専売権のおまけ付きで
米国政府は申し入れに飛びつく
北軍時代の上官の命令により
クルーズは月500ドルで明治政府に雇われ
日本に渡る
クルーズが銃による近代戦法を教えるのは
明治政府が徴兵したど素人の農民
明治政府に楯を突くのは元元老院議員渡辺
昔ながらの侍で
いまだに鎧を着、銃の使用を嫌う
クルーズは南北戦争を思い出す
標的にされる罪のないインディアン部族
銃を向けられ逃げ惑う女子供
躊躇なく行なわれる無差別殺戮
渡辺が率いる軍は奈良山中にいるらしい
元農民政府軍が成敗に向かうが
にわか仕立ての訓練不足、度胸なし
クルーズの予想通り渡辺軍に全く歯が立たず
政府軍は散り散りに敗走
傷を負ったクルーズは渡辺の捕虜となる
渡辺の村は静岡か山梨
どこかの山奥
渡辺は英語が堪能、禅僧の趣あり
渡辺の右腕真田は血気盛ん
クルーズを看病をする小雪、渡辺の妹
クルーズが殺した侍の妻
世話役は渡辺の息子真
クルーズは捕虜として
だが自由を与えられ村で暮らす
真田から剣を学び
村人から日本の心を学んでゆく
そして、年を越し
1877年、春
渡辺は天皇に呼ばれ上京
クルーズも同行し村を離れる
元老院に復帰した渡辺だが
廃刀令に不服を表明
一方
政府軍の指揮官を命ぜられたクルーズは・・・
史実を描いた映画ではないが
モデルとなった人物はいる
大政奉還前の1866年
幕府の軍事訓練に来日したフランス軍人
王政復古後、新政府に国外退去を命ぜられたが
1869年五稜郭陥落まで旧幕府軍と行動を共にした
史実の叛乱を描いてはいないが
1876年の神風連の乱
1877年の西南戦争
などを参考に組み立てられた
天皇の為に幕府軍と戦った武士たちは
いざ新政府が樹立されると
近代化を押し進める新政府から冷遇され
行き場を失う
行き場を失った武士が
新政府に対して叛乱を起こす
天皇を新政府から奪還すべし
そんな時代背景がやや分かり難いし
渡辺軍は吉野で何をしてたのかとか
渡辺の住む村は実力の割に小さ過ぎないかとか
突然村を襲う忍者部隊は何者かとか
多少の疑問点はあるが
概ね日本の描写は違和感はなく丁寧
武士を滅び行くマイノリティとして
誇り高く描き好感が持てる
但し
命より名誉が大切
の思想には異議あり
この後
戦争への向かう日本
武士道精神の復活
命より名誉が大切
の教えで
若い兵士が多勢死んでいった
2003年 アメリカ映画 154分 製作費14,000万ドル
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