監督 石井輝男
原作 つげ義春
出演 浅野忠信
藤谷美紀
丹波哲郎
つぐみ
青葉みか
藤田むつみ
水木薫
赤い画面、褌一丁で這いずり回る女たち、
まいど不思議な動きの舞踏
の、漫画を描く浅野
売れない貸本漫画家
なんとく美紀と暮らすようになり2年
家賃が払えずアパートを追い出される
やがて
美紀から別の男の子を妊娠したと聞かされた浅野は
大量の睡眠薬を飲む・・・
地方へ旅行すると
ときおり、薮から棒の
ような言葉づかいを
聞かされることが
ある
浅野は旅先で居酒屋・もっきり屋に入る
そこで働いていたのは
一銭五厘で買われて来たという少女つぐみ
浅野はその店で酔いつぶれる・・・
裸のみかを前にしても
浅野は見たり見なかったり
なにか不吉な重い流れのようなものが
浅野の心を
駄目な方へ駄目な方へ
おし流すようで
いっそ駄目になってしまえたら
どれほど気がらくかしれないと
思っていた
海の唄をきいて浅野は突然
海が見たくなり
新宿から房総行きの列車に
とび乗ってしまった
降りた町には宿はなく
親切な駅員がやなぎ屋と言う大衆食堂に
泊めてくれるよう頼んでくれた
やなぎ屋は
母と娘むつみの二人暮らしだった
その娘はまだ独身なわけだが
浅野は処女ではないな
とにらんでいた
五、六人の若者と
逢い引きをかさねていたに違いないと
にらんでいた・・・
青葉みか
まさか
こんな所にメメクラゲがいるとは
浅野はたまたま
海辺に泳ぎに来て
メメクラゲに左腕を嚙まれててしまった
当然静脈は切断された
真っ赤な血がとめどもなく
流れだした
浅野は出血多量で
死ぬかもしれない
一刻も速く
医者へ行かなければならないのだ
しかし不案内な漁村で医者を
捜すのは容易なことではない
しかも切断された
血管の切り口と切り口が
ずれないよう
右手でくっつけ合わせて
いなければならないので
走りまわることができないのだ
浅野は必死になって
医者を捜しているのです・・・
別離、もっきり屋の少女、やなぎ屋主人、ねじ式
短編漫画4編をつなぎ合わせた作品
原作もそれぞれに関係はなく
それぞれストーリーがあるような、ないような
特に"ねじ式"はシュール過ぎて
芸術作品とまで言われ
'60年代のカルト・マンガの代表作になつた
そんなわけで
映画の方もストーリーがあるような、ないような
各話浅野忠信が主人公という以外何のつながりもなく
唐突に話が切り替わるオムニバス形式
原作の雰囲気を
かなり忠実に伝える
'70年代カルト映画を思わせる作品
構図まで
漫画とそっくり
考えてみりゃ
もともと考えることなんか
なかったんだからね
1998年 日本映画 85分
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