「 ビルマの竪琴 」 | 0・・映画toほげほげ

0・・映画toほげほげ

   
  
♪ ほげほげたらたらほげたらポン ほげほげたらたらほげたらピー ♪
★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " ビルマの竪琴 "


監督 市川崑
原作 竹山道雄
出演 石坂浩二
   中井貴一  
    川谷拓三
    渡辺篤史
   北林谷栄
   菅原文太
   

 あらすじ、ネタバレ御免

 1945年7月の終わり
 ビルマ戦線
日本軍はイギリス軍とインド軍の猛反攻に遭い
戦局は非常に悪くなっていた
その小隊も山から山への逃げ歩いた
何とかして国境の山脈を越えて
交戦国ではないタイへ入ろうとしていた

兵士が疲れ士気が下がると
石坂小隊長は皆に歌を歌わせた
川谷副隊長は音痴だった

その小隊には
ビルマの竪琴を真似してつくった独特の竪琴があった
水島上等兵はその竪琴の名人だった
水島の伴奏は歌を引立たせた

水島はビルマ語がうまくビルマ人にもよく馴染んだ

小隊は後一つ峠を越えればタイという所までたどり着き
イギリス軍に包囲される
小隊は敵を油断させようと歌を歌う
するとイギリス軍も歌で答える

そして3日前、日本が降伏した事を知り
小隊は武器を捨てる

小隊はムドンの収容所に送られる事になったが
三角山では日本兵が依然抵抗を続けていた
降伏説得のため水島はイギリス兵と三角山へ向かう

しかし三角山の菅原隊長は根っからの軍人で
降伏せず死ぬまで抵抗する道を選び
多くの命がイギリス軍により犠牲となる

戦闘に巻き込まれた水島は負傷し
僧に助けられる

その頃、石坂小隊はムドン捕虜収容所に送られ
捕虜としての労働生活が始まっていた

水島にはムドンへ行く隊長と約束がある
しかし僧は負傷の癒えぬ水島を見て
その体ではムドンは遠過ぎると言う

水島は僧の沐浴中に袈裟を盗み
僧に身をやつしムドンヘ向かう

時にビルマの人の布施に助けられ
艱難辛苦を乗り越えて旅を続ける水島

そんな水島の心を深くえぐったのは
いたる所に野ざらしになっている
日本軍の屍だった

一方、収容所の石坂らは
何とか水島の安否を知ろうと手を尽くす
しかし、もたらされたのは
 水島は三角山で死んだらしい
という不確かな情報だった

ムドン郊外にたどり着いた水島
収容所の場所を訪ねた老人からオウムを布施される

いよいよ収容所を訪ねようとした朝
水島は竪琴で"埴生の宿"を練習する少年と出会い
彼に弾き方を教える
そして
賛美歌と共に埋葬される日本兵の墓を見る

水島は旅の途中で見た日本軍の屍を思い出す
葬らねばならぬ、水島は決心する

収容所に背を向ける水島、肩にはオウム
労働から帰る収容所の石坂小隊と行き違う
兵たちは僧の容姿が水島によく似ている事に気づくが
僧は顔を背け無言で通り過ぎて行く

それから水島は黙々と遺体を埋め続ける

そんなある日、石坂らは
労働の休憩中に水島の弾き方とよく似た竪琴の音を聞く
弾いているのは少年であったが事情は聞けなかった

午後、収容所にやって来た物売りの老人
一匹のオウムを連れている
そのオウムは以前僧が肩に乗せていたオウムとよく似ている
話を聞けば僧に布施したオウムと一緒に捕まえたと言う
石坂はそのオウムを買う

石坂小隊はイギリス軍戦没兵の慰霊祭に参列する
その寺院にいた1人の僧が日本式に遺骨を運んでいた
あの僧は水島ではないか
それとも水島に似たビルマ僧なのか

水島の死を信じられない石坂は
オウムに言葉を教える
 おーい 水島 一緒に日本に帰ろう

その頃
水島のオオムも彼の独り言を覚えた
 アア ジブンハ カエルワケニハ イカナイ

石坂小隊は労働の休憩時間
日本の歌をよく歌った

ある日
寺院の中で水島は石坂小隊の歌う合唱を耳にし
懐かしさから思わず竪琴をかき鳴らす
琴の音は小隊の耳にも届き
皆は竪琴の音の所在を探す
しかし水島は頑なに寺院から出なかった

そして
石坂小隊に日本への帰還命令が出る
出発は3日後

出発の前日
川谷は物売りの老人に
オウムを僧に渡すように託す

そして日が暮れる頃
収容所の策の外に僧が現れる
肩に二羽のオウムを乗せ
竪琴を持つ少年を連れて

小隊の兵は未だ僧が水島であると確信が持てない
彼らは"埴生の宿"を歌ってみる
僧はそれに合わせ竪琴を奏でる
その音は紛れもなく水島の音だった

喜ぶ小隊の声には答えず
僧は無言で"仰げば尊し"を弾き立ち去った

出発の朝
小隊に物売りの老人から
オウムと手紙が届けられる
オウムが鳴く
 アア ジブンハ カエルワケニハ イカナイ

石坂小隊は他の小隊と共に
ムドンを発ち日本行きの船でビルマを後にする

甲板で石坂は手紙を読み上げる
そこに書かれ居てたのは
水島の"帰りたいが帰れない"心情と
苦しみの多い世界で
少しでも救いをもたらす者になりたい
という願い、更に
同胞の霊の休安の場所を造るために残る決意だった


  市川崑監督の
  同じ原作二度目の映画化


  最初の"文部省特選"の大文字で
  思いっきり引いて
  フジテレビジョン提携の文字で
  駄目かもしれないと思った
  
  悪い映画ではないが
  文部省が好きそうな
  とってもオーソドックスで
  可もなく不可もない日本映画

  素直な人なら素直に感動できそうな
  親子で安心して見れる類いの映画


   テレビ局が作る映画は
   ほぼ一定の水準を超えない


  水島は
  日本人の霊を弔うため僧になる

  ビルマの僧は
  ひたすら自分を磨くために僧になる
  
  日本の大乗仏教とは違う
  動機が違う


  せっかく二回目の映画化
  原作を少し変えてでも
  せめて日本人へのこだわりを捨て
  ビルマで死んだ総ての人のために祈るなら
  もっと共感できるのだが


   モデルになった日本兵は
   復員後、日本で僧侶になった


 $0・・映画toほげほげ-ビルマの竪琴


1985年 日本映画 133分