監督 新藤兼人
出演 中村吉右衛門
乙羽信子
太地喜和子
佐藤慶
平安中期
京を出はずれた竹薮の中の家
信子と喜和子の母娘が
飢えた武者達により殺される
死体の傷を舐める二匹の黒猫
夜の羅城門
遠くで聞こえる猫の声
一人の若い女が
通りかかった侍に
物騒故、薮の向こうまで送ってくれ、と頼む
侍は女を竹薮の中の一軒家まで送り
女に招き入れられる
そこで母娘から酒をふるまわれ
肉欲に溺れ始めた時
女は侍の首に食らいつく
そして
何体目かの侍の死体が
竹薮で発見されるに至り
羅城門に妖怪が出るとの噂が広まる
戦で手柄を立てた百姓侍の吉右衛門は
正式に侍に取り立てられ
源頼光より妖怪退治の命を受ける・・・
怨念と愛情の間で
行き来する心を描く
古典的様式美に則った
悲愛ホラー時代劇
太地喜和子が妖艶で美しい
だけど
ホラーとしては全然恐くない
ワイヤーアクションや能の舞いも
とってつけた様で感心しない
恨みの為とはいえ
人間が何故化け猫なったかは疑問
1968年 日本映画 108分 白黒