「 エレファント・マン 」 | 0・・映画toほげほげ

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★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " THE ELEPHANT MAN "


監督 デヴィッド・リンチ
音楽 ジョン・モリス
出演 アンソニー・ホプキンス
   ジョン・ハート
   アン・バンクロフト
   フレディ・ジョーンズ


 原作は
 1923年出版 フレデリック・トリーヴズ医師の回顧録
 1971年出版 アシュレー・モンタギュー著「エレファント・マン」


本名 ジョゼフ・メリック
1862年イングランド生まれ
その容姿から象男と呼ばれた

骨格の変形や腫瘍の発生は2才の時に始まる
彼の姉も同じ病気で苦しんでおり
先天的要因によると考えられる

症状は
頭蓋骨の外骨腫、脊椎の湾曲、骨を含む右上腕の肥大
広範な乳頭腫状増殖、生殖器は健常

何の病気であったか
DNA鑑定が何度か行なわれたがはっきりしていない
1886年の病名は象皮病だがこれは誤診
神経線維腫1型の疑いが高い
レントゲンや写真から骨ベージェット病のようにも見える
1980年にはプロテウス症候群の可能性も示唆された


 ジョゼフ・メリックは普通に学校に通い
 裕福な暮らしをしていた

 7才の時母が死に、父が再婚してから人生が狂う

 行商人として生活するが
 特殊な外見から訪問販売は難しく
 救貧院に入る

1884年
ロンドン病院の外科医トリーヴズと出会い診察を受け
病理学会でジョゼフの症例が発表される

ジョゼフは自分の不幸を売り物にしようと思いつき
自ら興行師に話を持ちかけ、見世物小屋で金を稼ぐようになる
  ( 見世物小屋での過酷な生活は映画だけの話 )
しかし批判の声が高まり警察により見世物小屋は禁止される

ジョゼフはベルギーに渡り別の興行師と興行を行なう
  ( 映画のように無理矢理連れて行かれたのではない )
しかし
ショーの受けは悪く、興行師に金を奪われ置き去りにされる

1886年
悲嘆に暮れたジョゼフは帰国
リバプールの駅で民衆に襲われ
ポケットにトリーヴズの名刺があった事から
警察はロンドン病院に連れて行く
その後、病院の一室に住む事が許可される

そこで女優のマッジ・ケンドールと出会い好意を受ける

1890年死亡
彼は仰向けに寝ると頭の重さで呼吸が出来なくなるので
普段、両ヒザの上に頭を乗せて寝ていたが
死んだ日こは横たわっていた
彼が起き上がろうとした形跡がある事から
何らかの原因により倒れ起き上がれなくなったのでは
と考えられている
死因は窒息


デヴィット・リンチはヒューマニズムを描きたかったのではない
奇病による奇異な姿の男を
現代の見世物小屋、映画館に引っ張り出したかったのだ
前作「イレイザーヘッド」の延長線上にある映画


ヒューマニズムのオブラート効果で
大勢が見せ物映画に押し寄せた

だからと言って
リンチは異形の者を差別しているのではない
リンチは異形の者が好きなだけ
必要なのは同情ではなく
同等だという認識だけ

 皆同じ異形の仲間なのだよ
 誰でも皆、多かれ少なかれ変でしょ?


 僕は動物じゃない、
  僕はこれでも人間なんだよ


 $0・・映画toほげほげ-エレファント・マン


1980年 アメリカ/UK映画 124分 製作費500万ドル
 セザール賞 外国映画賞受賞
 アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭 作品賞受賞
1981年 日本公開



 神経線維腫症I型(レックリングハウゼン病)

  末梢神経を中心に人体の多くの器官に神経線維腫や
  皮膚に色素斑などを生じる遺伝子の疾患
  親からの遺伝が50%、残りは突然変異
  発症率は3000人に1人

  処置としては手術しかないが
  良性腫瘍なので急に重篤化することはない

 骨ページェット病(変形性骨炎)

  局所領域の骨代謝が亢進する成人骨格の慢性疾患
  病因は不明
  発症率は40才以上の成人の約1%

 プロテウス症候群
  (プロテウスはギリシャ神話の神、様々に姿を変える)

  手足の巨大発育、四肢非対称、足底過形成、巨頭、表皮母斑、
  骨化過剰および長管状骨の過度成長、血管腫、脂肪腫、リンパ管腫、
  原因は不明
  世界で約200症例が報告されている