砂楼に登りし者たち (ミステリ・フロンティア)


時代物ミステリーのおもしろきことよ。牛に乗って諸国をめぐり、貴賤老若を問わず治療を施す奇行の名医、残夢とその弟子永田徳二郎が赴いた地で出会った事件の数々の連作短編集。 

武田信玄、明智光隆…歴史好きの人なら一度は耳にしたことがあるような有名どころの人たちを含め、この時代ならではの歴史事情によって起こる事件や謀反の謎解きが繰り広げられます。

現代の本格と違って「館」が「城」になっていたりするとこがおもしろいし、この時代でしかないようなトリックの数々がおもしろい。 

ちなみに残夢、伝承では天正4年(1576年)に139歳で没したという話があるらしいからして、何が一番ミステリーだったかっていうと、間違いなくこの爺さんでしょう。


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