朝日のようにさわやかに (新潮文庫)
本書は「図書室の海」以来、5年ぶりの短編集になるそうです。
確かにいろんなテイストが詰まっていました。
おもしろいものもあれば、ありゃ?と思うものもありです。
一番オススメしたいのは、一番最初の短編「水晶の夜、翡翠の朝」。「麦の海に沈む果実」「黄昏の百合の骨」の理瀬シリーズの番外編です。
ヨハン君が主人公です。
<邪悪なヨハン君の邪悪なラストが気に入っている>
の著者のお言葉通りの作品でありました。天使にもうつってみえるヨハン君。
最後までヨハン君はヨハン君でしたね。
他にアガサクリスティー「ABC殺人事件」のオマージュというアンソロジー企画の為に書かれた作品などがあります。
オマージュとして書かれた「あなたと夜と音楽と」や、井上雅彦氏監修の書き下ろしアンソロジー「異形コレクション」の為に書かれた「冷凍みかん」「深夜の食欲」などなど、バラエティー豊かな作品の数々でした。
★過去に読んだ【恩田陸】作品感想★
・木洩れ日に泳ぐ魚/恩田 陸
・MAZE/恩田陸