やっぱり日和見外交か | Marinoe Diary

やっぱり日和見外交か

政治と宗教ネタはブログには書かないのがぼくのポリシーだが、あまりに考えさせられるニュースなので、記す。

中国人船長 処分保留で釈放へ
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1352187&media_id=2

このニュースに対するコメントは、圧倒的に弱腰外交日本を非難しているものが多く、ぼくもやはりそれには同意。
他国に対して、自国の正義も貫けないこの国の為政者には、誇りがないのか、と、残念な気持ちでいっぱいだ。

しかし、この発表の敢えて裏を読んでみると、
「今後釈放手続きに入るが、釈放の日時は未定」
というのがキモな気がする。

過去、日本外交は、のらりくらりと日和見的に問題を先送りにするのが、常套手段だった。
今回の事件では、アメリカの後ろ盾も得て、珍しく強気な外交になるかと思いきや、振り上げた中国の拳(それが不当なものであったにしても)の納めどころを腐心し、とりあえず「釈放する」と、声明を出したものではなかろうか?
レアアース(希土類)の輸出を止められ、現地の日本人を人質に取られ,これ以上日中関係が悪化すれば、現地の企業の安全さえも脅かされる今の状況では、それがいかに不当なものであっても、中国の要求を受け入れざるを得ないだろう(かつて中国に突きつけた21か条と同じだ)。

ここは中国の要求を受け入れた「フリ」をして、相手の出方や世論を見ながら、場合によっては釈放を引き延ばしていく事も考えられる。
あるいは、釈放と引き換えにレアアースの輸出再開等の取引を、すでにすませている可能性もある。

だけど、世論は政府の弱腰外交の非難一色。
これでは内閣の転覆の危険さえもあるが、資源も武力も持たない(正確には行使できない)日本には、他に選択肢がない。
今後は日本国内の世論をいかに鎮めるか、為政者の手腕が問われるだろう。
まあ、それもあまり期待できないけど、これ以上この国の国民である誇りを失くさせる様な選択だけは、やってほしくないものだね。