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この前の月曜日夜、ピラティスに行ったら、やけに人が少なかった。映画館に行っているんじゃないか、と他の生徒さんが言っていたので、ちょっと気になっていました。

で、レッスンが終わった後、いつもなら人通りが少ないのに、信号待ちしている人が多い、映画館の前にも人がたむろしている。

どんな映画やっていたのか、ネットで調べたら、昨年11月に公開されてドイツ映画、特別に解説付きで上映されていたらしい。

それが、この「Im Labyrinth des Schweigens」日本語に直訳したら、「沈黙の迷宮内」とか「沈黙の迷宮にて」でしょうか。トロント映画祭では英語タイトル Labyrinth of Lies (嘘の迷宮)。


どういう内容かしらべてみたら、昨年のトロント映画祭にでていました。

あらすじは
・“Labyrinth Of Lies (Im Labyrinth des Schweigens)”(独) 監督:Giulio Ricciarelli [ワールド・プレミア]
 出演:アレクサンダー・フェーリング、André Szymanski、ヨハネス・キルシュ(Johannes Krisch)
 物語:1958年のフランクフルト。ヨハンは、駆け出しの検察官で、交通違反などよりもっと重要な仕事がしたいと考えていた。彼は、政府のある有名な機 関や部署が、第二次世界大戦中のナチスの犯罪を隠すための陰謀に関わっていることを発見する。そして、ジャーナリストのトーマスや、強制収容所を生き延び たユダヤ人のシモンとともに、アウシュヴィッツでの悪行に関わりながら、今は公益事業で成功を収めている、元SS兵士の証拠を明らかにしようとする。とこ ろが、調べていくうち、彼は、自分の家族が、本当に清廉潔白なのかどうか、確信がもてなくなる。

トレーラーを見たら、見たくなってきました。
https://www.youtube.com/watch?v=I4sYpRbeTAM

が、月曜日1回だけの特別上映だったようで、ちょっと離れた隣町でしかやっていません。なので、DVDをネットで注文シました。

ところが、注文確定のメールをよく読んでみたら、DVDの発売は今年の5月。。。

もう、夫と二人で見る気満々だったので、日曜日のお昼に隣町で1回だけ上映されるのを見に行っていました。

公園の中にある古い建物を改装して、上はカフェ、日曜日は朝食もありましたが、上映時間までに注文が間に合わないと言われて、コーヒーだけ飲み、地下にある3つの映画ルームの一番小さなところに入りました。

中は綺麗で、赤いすわり心地のいい椅子でした。


金曜日にドイツ人の友人とオペラを見た時に、その友人も映画好きだから、見に行くか尋ねたら、「アウシュビッツの話はもうたくさん、悲惨な話はもう見たくない」と言われました。

私も見る前は、裁判の話だったら、専門用語多いしわかりにくいかも。悲惨なシーンや証言があるかも。と覚悟していましたが、そういう直接的な表現がなくても、充分に泣ける映画でした。

いまでこそ、アウシュビッツで何が行われたのか、ドイツ人以外の人も知っていますが、戦後ニュルンベルク裁判では、そこまで詳しい追求なかったんですね。

映画の中でも、ジャーナリストが「アウシュビッツ知ってるか?」「そこで何が起こったか知ってるか?」を周りの人に尋ねるシーンありましたが、当時は皆知らなかったそうです。

生還した人も証言することが苦痛だし、殺人として起訴するには、証拠が不十分、膨大な資料を調べて、生還した人を探しだして、証言を聞き取る。同僚の検察官の中にも「今更そんなこと調べてとうする?みんなナチ党員だったんだぜ」と言われたり、窓ガラスが石を投げ入れられて割られたり・・・

最初の証言者が検察に来て、証言するシーン、閉じられた扉が写し出され、終わった後に事務官の女性が出てきてこらえきれずに涙を流します。これだけで充分に見ている方にもその証言の悲惨さが伝わりました。

ネタバレになりますが、一度は検察官を辞職した主人公がジャーナリストと一緒にアウシュビッツを見に行きます。ここで諦めたら、アウシュビッツは忘れられる。という彼の言葉で職場復帰を決意。最後は全ての準備が整い、裁判が始まるシーンで終わりました。

「嘘をつくより沈黙」というセリフから、タイトルきたみたいですね。
嘘と沈黙、どちらも迷宮に入り込むには充分。


映画の登場人物で、ジャーナリストと検察長官は、実在の人物です。

戦後、ドイツが経済復興してきた時、過去を忘れられることで前に進めていたのかもしれませんが、被害者には忘れることできないでしょう。

先日亡くなった元西ドイツの大統領ヴァイツゼッカーの演説の中の言葉 「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります」(永井清彦訳)が、重くのしかかってくる映画でした。




読んでいただき、ありがとうございました。
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