小山多頭崩壊現場からレスキューされたグッチと千ちゃん☆ お散歩の練習を開始いたしました。 歩き方が滑らかでとてもいい感じ。
リードを付けることにまだ抵抗があるものの
外散歩を楽しむ余裕が出来れば
その抵抗感も薄れていくはずです。
デッキで右往左往している時より
「どっちに行くの?」という戸惑いはあるものの
地面の匂いを嗅いだりしながら
足取りも軽く なんだかとっても若々しい(*^_^*)
それに、お散歩がとっても上手!?
みんなと一緒なら
もっとお散歩が楽しめるかもしれません。

時々踏ん張るけれど
イヤイヤではなく 少し困っているだけ。
外の世界に興味津々、好奇心で動けている証拠に
匂い嗅ぎも出来ていますし
シッコも草むらでチョチョイのチョイでした(^_^;)
デッキでのフリータイム中
以前は、他の子に偉そうにされても
「それ嫌」が言えないことが多かったのに
最近は「お断り!」と言えるようになっていました。
ホントはもっと早く外散歩に
連れ出してあげたかったけれど
だいぶのんびりしてしまいました。
しかし、その甲斐があって
グッチのキャパは確実に広がってくれたのだと思います。
「待ってあげる」ことも愛情のうち。
「頑張らせる」ことも愛情のうち。
臨機応変に犬の状態に合わせて 人が
バランスを良い方向に導き 整えてあげることが
何より大切なのです。

続いては、千ちゃん。

千ちゃんとグッチの性格はまったく違います。
千ちゃんは頑なな女子なのです。
だからこそ、グッチの
天真爛漫な性格に助けられてきました。

グッチはグッチで頑張っていますから
千ちゃんにも頑張っていただきます。

私はどんな犬にも 広い空の下を
頼りがいのある人間と
一緒に歩く権利を持っていると思います。
お散歩が苦手、嫌い、
そんな理由でお散歩をさせない選択をすることは
犬の福祉に反していると思っています。

我が家のココアは
すっかりお散歩大好き犬になりましたが
初めは千ちゃんやグッチと同じ
人もリードも苦手で
ワラワラワラワラした散歩がスタートでした。
しかし、犬は変わります。
毅然と道を示す人の後に 付いていきたいのが
犬という動物だからです。

しかし、千ちゃんの難しい所は
人にはもとより、犬にもそんなに頼らないところ。
女野武士のような孤高の精神の持ち主なのです。

これまで、グッチ同様デッキで
世界を満喫していたのですが
グッチのように、人の手からオヤツを食べることは
あまりありませんでした。
リラックスして寝そべることもほぼありませんでしたから
予想はしていたものの、
外散歩での首輪やリードに対しての抵抗も
グッチの比ではありません。
どんな子でもそうですが
外散歩で一番心配なのは「首輪抜け」です。
ですから、サイズの合った首輪で
指一本分の余裕だけを残した状態で装着して出発。
千ちゃんの頭には
散歩の始まりから「逃走」の二文字しかありません。
ジタバタと暴れますが
ここで帰るわけには行きません。
「暴れたら≒逃れられる」という方程式を与えてしまわない為に
少し歩いては暴れる・・・
落ち着くまで待って、また歩く・・・
繰り返し根気よく頑張ります。

初めは、単体での様子を見るために私と一対一で。
途中、ベッキーと合流して歩いてみましたが
やはり、ベッキーどころではありません。
そこで、若手のサンディに登板していただき 一緒に歩きますが、
千ちゃんの強烈なウィークエナジーに根負けして降板・・・
またしても、ベッキーが通りかかりましたのでチェンジしまして
途中休み休みしながら、なんとか無事ご帰還。

こんな風に書くと、
無理やりみたいで犬がかわいそうという人が必ずいます。
ならやってみてほしい・・・。
他に術があるなら、私だって知りたいのです。
「逃走」モードの犬にオヤツは使えません。
使えたら苦労しません。
慣れるまで待つことは最早、
千ちゃんにとって優しさではないのです。
「暴れなければいい」とわからせるには
「暴れたあとの落ち着いた時」にわかるものです。

暴れる時間と落ち着いていられる時間のバランスが
逆転するまで 経験させるしかないのです。
犬が暴れる時、人はひたすら動かずに
その嵐が過ぎ去るのを待つのみです。
永遠には続きませんし、
その時間はどんどん短くなっていきます。
この犬にとっても苦しい時を、
動揺することなく 一緒に乗り越えるしかありません。

命がけの犬の抵抗は、人間側にも精神的なダメージを与えます。
正直、この翌日は私自身
精神的な疲労で何も手が付かないほどでした。

外散歩で存分に暴れた千ちゃん、帰ってきて、
その足でデッキスペースで一休み。
その様子をスタッフさんと一緒に観察。
この日初めて、 自らの意思でデッキスペースに横たわりました。
大きく息をつきながら、「いい汗かいた」みたいな顏で
さして、こちらに怯える様子もありません。
そして、この日初めて みんなが見ている中で
ケージの中、横たわりました。
「みんながいる場所で横たわる」・・・こんな簡単なことが
こんな楽になれることが出来なかった千ちゃんの
心労はいかばかりか・・・
何も怖くない、大丈夫なんだということを
教えてあげずに 犬の自助努力だけでは、
犬は変わることが出来ないのです。
激しい運動をすると、その疲れで
余計な神経を使わずに済むのは
人間にもある事ではないでしょうか。

何も気にせずに、
体力的な疲労に身を任せて
深い眠りを得る。

このことこそが、千ちゃんのような心理状態の犬にとって
安定した精神を得るために欠かせないことなのです。

犬の嫌がることをしたくない・・・
それは、わたしだって同じです。
しかしながら、させるべき価値を見出せるのなら
トライするのがその犬に関わった人間の責任だと思うのです。