1 歯磨き練習器の有効性 
自分の歯を鏡で見ても反対に映るし、鏡をのぞきこんでも隅々まで見ることはできません。このように子どもにとって自分の歯は、直接見ることができないので、とても認識しにくいものです。そこで目の前で見れて、自分で操作しながら学べるようにペットボトルで歯磨き練習器を作りました。

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歯磨き練習器は、まるで自分の歯を目の前で磨いているようにイメージしながら磨くことができます。今までの歯磨き指導では、子どもがどのように磨いているのかが分かりにくかったのですが、歯磨き練習器を磨くことで、子どもの普段の磨き方がよく分かるようになり指導がしやすくなりました。

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2 特徴
(1) 平面的な図ではなく立体的な模型なので、磨く順番がとても分かりやすくなり、図の理解が苦手な子どもにもイメージしやすくなりました。
(2) 自分専用なので毎日練習できるところも利点となります。毎日2分間、模型を磨く練習から始めます。
(3) 歯磨き練習器を直接磨くところから始めるので、鏡を見ながら磨くという指導法よりとても簡単です。磨く練習がすぐ始められます。
(4) 磨く場所はここだよとか、磨き方はこうだよと個別に教えやすくなります。

3 歯磨きの仕方
 (1) 持ち方
    ペングリップで持ちます。適度な力で磨けるからです。歯ブラシを握って持つ磨き方だと、強く磨き過ぎて歯が削れるからです。

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 (2)磨き方 
   スクラビング法で磨きます。これは歯周病の予防になります。スクラビング法の磨き方は、毛先が移動しない幅で小刻みに左右に震えるように磨きます。歯ごとに1234、2234、3234、4234と数えながら磨きます。「1」と数を数えるたびに小刻みに1往復する磨き方なので、1つの歯に対して8回ずつ磨くことになります。約2分間で磨けます。
 (3) 磨き順(一筆書き方式)
   一筆書きの順番に一つ一つの歯を磨いていきます。これを「ひとふで磨き」といいます。

  「ひとふで磨き」


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歯磨きの順番は指導法の数だけ多様にありますが、誰もが分かりやすく覚えやすく、しかも磨き残しがない方法として「一筆書き方式」が最良だと思います。上下の歯を行ったり来たりする一筆磨きもありますが、理解が難しく混乱しやすいので、下の歯と上の歯を別々に分けた「一筆磨き」にしました。一筆磨きなので、流れるように順番に磨くことができます。しかも磨き残しがありません。まず下の歯から磨き、次に上の歯を磨きます。普通は上の歯から磨きます。下の歯を先に磨くと上の歯の汚れが下に落ちるからという理由ですが、歯磨き粉を使う場合は泡であまり関係なくなります。そこで、鏡でよく見えて、右手に持った歯ブラシで一番磨きやすい下の歯から磨きます。

4 「歯磨き練習器」の作り方
① 2リットルのペットボトル(底の部分が歯型に近いので「綾鷹」を推奨)を底からおよそ10cmあたりの高さで切ります。
② ペットボトルを縦長置きにしての背面部分と側面部分を残して、前歯部分を底から2.5cmあたりにある横すじ溝に沿って切り取り、前歯とします。→Aの部分
③ 背面部分と側面部分を底から6.0cmで横向きに真っ直ぐ丁寧に切ります。
④ 側面部分の後方を前歯と同じ高さまで縦に切り、約1.7cm~2.0cmずつ2回折り曲げて、臼歯になるようにします。→Bの部分
⑤ 歯の形(幅1.5cm×高さ1.5cm)を白いビニールテープに書きます。
⑥ 磨く場所ごとにマジックで色分けして番号を書きます。マジックの色分けの順は、赤→青→黄→緑→ピンク→紫→茶色→黒の8色にします。一筆磨きの順に臼歯は1234と番号を書き、前歯は123123と書きます。(6本の前歯を123123と磨くのは、歯ブラシを持ちかえるタイミングを前半の123と後半の123の間にするためです。)
⑦ 歯と番号をかいた白いビニールテープを順に貼っていきます。
⑧ これを上下2つ作ります。
⑨ 白いビニールテープを貼る順番は上下とも左側から貼ります。この場合の左側とは、自分の歯を口から取り出した状態と同じ方向に歯磨き練習器を向けたときの左手側のことです。
⑩ 上下2つの背面同士を合わせてホッチキスで止めてくっつけます。
⑪ 上がどちらかが分かるように、「うえ」と書いたビニールテープを貼るか、または目印として名前を書いて貼ります。
⑫ ペットボトルの口を切り取って、ホットボンドで背面部に貼り付けると持ちやすくなります。
※準備物2リットルか1リットルのペットボトル(綾鷹を推奨)を2本、ハサミ、セロテープ、マジック8色、白いビニールテープ、カッターナイフ、カッター板、ホッチキス

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5 歯磨きの指導法
  ペングリップの持ち方は、鉛筆と同じ持ち方です。
ペングリップのまま、歯ブラシを3本の指だけでくるくると軸回転させるやり方を教えます。反対に回す練習もします。
指を歯に見立てて磨き方を指導します。目の前に指をそろえます。歯には表と裏があることを教えてから指の表裏を磨かせます。歯ブラシで指を1本ずつスクラビング法で磨きます。これは前歯を磨く練習になります。表磨きから裏磨きにかわるとき歯ブラシを180°軸回転させて持ちかえます。
スクラビング法の小刻みで震えるような磨き方は毛先がほとんど動かない磨き方なので、自分の指を磨くことで、従来のゴシゴシ大きく動かしながら磨く磨き方との違いが感触として分りやすいと思います。
手を握ってグーの形にすることで、それを臼歯に見立てて、裏側と表側とくぼみ部分を磨く練習をします。臼歯には表裏だけでなく、くぼみ部分があることを教えます。

レベルアップ
        レベル(1):歯磨き練習器を使い一筆磨きで練習します。自分の口と同じ向きになるように歯磨き練習器を持って、練習専用の歯ブラシで磨きます。
        レベル(2):最後に、手順表なしで鏡を見ながら磨けるようにします。
        レベル(3):その次の段階では、手順表と鏡を見ながら自分の歯を磨きます。
        レベル(4):次の段階に進むと、歯磨き練習器を机の上に置いてそれを見ながら、自分の歯を磨きます。
        レベル(5):慣れてきたら歯磨き練習器を自分の口の前で真っ直ぐに持って磨きます。

6 その他
奥歯の一番奥の側面(裏側ではない)が磨き残しになりやすいので忘れず磨きましょう。ちなみに、一筆磨きでは、奥歯の一番奥の側面も磨く順番の中に入っていますので、大人が仕上げ磨きをするときは忘れずに磨いて下さい。 ペットボトルを初め10cmぐらいの高さに切るのは、その後が切りやすいようにするためです。

7 歯磨きカード↓








「歯磨き練習器」↓
http://ameblo.jp/marc7788/entry-11548103622.html

「お金の学習プリント集」↓
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「連結箸」↓
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