「ブッシュ」('08)
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第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュの伝記映画です。監督はオリバー・ストーン、主演はジョシュ・ブローリン、共演はエリザベス・バンクス、ジェームズ・クロムウェル、エレン・バースティン、リチャード・ドレイファス、スコット・グレン他。
→ Wikipedia「ブッシュ (映画)」
→ Wikipedia「ジョージ・W・ブッシュ」
知っている話ばかりで「面白い」ということはなかったですし、僕の好みで言えば、もっとブラックコメディに徹した方が良かったような気がします。ちょっと中途半端な印象。登場人物はいずれも実際の本人を真似たメイクや衣装でかなり似せていましたが、それが単なる「コスプレコント」に見えてしまったのも、コメディともシリアスともつかない中途半端な演出のせいのような気がします。「娯楽映画」としてならマイケル・ムーアのドキュメンタリー映画「華氏911」('04) の方が爆笑できる分、面白いです。
ただ、「アメリカ史上最悪の大統領」とまで言われるジョージ・W・ブッシュは、政治家としては確かに最悪ですが、「物語」の主人公としてはなかなか面白い人物です。
確かに身近な人たちから愛される好人物ではあったようですが、絵に描いたような「金持ちのドラ息子」でとことん無能なダメ男。立派な父親に対するコンプレックスなど、大昔から小説や演劇の題材として使われている「父子の確執」を描いた物語の主人公そのもの。
そのあたりを際立たせて、ギリシャ悲劇やシェイクスピア悲劇のパロディのように描いた方がもっとずっと面白くなったと思えるだけに、ちょっと残念でした。
また、これだけ無能なのに、「人柄」だけで2期8年も大統領を務められた (2回も大統領選で勝利できてしまった) というアメリカ社会の問題についてほとんど触れられていないのも不満。御しやすい単細胞男を大統領に据えることが、周りの (タカ派の) 取り巻きにとって都合が良かったという点をもっと掘り下げても良かったと思うんですよね。
それでも、ブッシュのことをあまり知らない人にとっての入門書代わりにはちょうどいいかもしれません。
取り敢えず、チェイニーとラムズフェルドを狂信的な悪役、ライスを全くの役立たずとして描き、彼らの中で「まっとう過ぎる」が故に苦悩するパウエルの描き方は
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