「告白」読みました

告白/湊 かなえ

￥1,370

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本屋大賞を受賞した湊かなえさんのデビュー作を読みました。

→ Wikipedia「告白」



賛否が極端に分かれる作品でしょうが、僕はかなり引き込まれました。

一気に読み切ってしまいました。

あまりにあっという間に読み終わってしまって、もったいないくらい。

こんなに短時間で読み切ってしまった作品は本当に久しぶりです。

少年による幼女殺人を扱った作品ですので、読後感は決して良くありません。にもかかわらず、不思議なことに妙な爽快感があったんです。

少年犯罪への憤りの鬱憤晴らしに過ぎないといってしまえばそれまでの内容。決して中身の厚い内容ではなく、むしろ薄いし、様々な点で軽い。どのキャラクターも類型的な上に、誰にも共感や感情移入は出来ません。また、特殊な形態の作品なので読みにくさもあります。更に HIV の扱いなど、不愉快に感じる人も少なくないでしょう。

それでも、幼い我が子を理不尽な理由で殺された親ならば、ここまで冷酷な、そして反社会的な行動を取ることもありえるのではないでしょうか。人間はここまで残酷になれるのか、と人間不信になりそうなエンディングですが、僕はこういう人の心の醜さや残酷さを描いた作品が好きなんだということに改めて気付かされた作品でした。

救いのない不快で陰鬱なエンディングが好きな方以外にはお勧めしませんが、ここ最近で読んだ中では、一番「引き込まれる」作品でした。