デザイナーズブランド系は「直線美」を重視
デザイナーズブランドやその系統の墓石を希望する人に言いたいことがあります。
「高いのは当たり前、安く提供できるわけがない!」
です。
その理由は何なんでしょうか?
デザイナーズ系のお墓が高くなる理由
デザイナーズ系の墓石のデザインは洗練されていますよね。
直線の美しさを重視したものが多くインターロック社のデザインと比べてもオシャレって感じがしますよね。
デザイナーズブランド系の墓石がなぜ高くなるのかを考えてみました。
- 曲線ではなく直線を重視、かなりの加工精度を求められる(合わせ目がツラ)
- 色目の濃い石を使う
- デザイン料が加算されれる(販売価格の中に含まれる)
大まかに考えて上記のような理由が考えられます。
各項目について説明していきます。
曲線ではなく直線を重視、かなりの加工精度を求められる(合わせ目がツラ)
曲線はごまかしが効きますが直線はごまかしは効きません。
曲線というか飾り物彫刻というか、基本的に日本人はワビサビを持ち合わせていますのでごちゃごちゃのデザインは好まないのです。
(しかし富山県の呉東の人は、そのごじゃごじゃデザインが好きなのす、なぜか)
例えば「唐木の茶棚」、中国産は龍なども彫刻されて角は丸みがありますが国産のものはデザインはシンプルで直線を重視しています。
富山の呉東のように唐戸の側面に龍や天女を浮き彫りにしたものがありますが、正直なところ私はぜんぜん良いとは思えません。
私はすぐに唐木の茶棚を思い出してしまいます。
「ごじゃごじゃが好きなんですねえ」って。
洗練されたデザインってごじゃごじゃではありません。
シンプルな中にも他とは違った気品が感じられるものですよね。
デザイナーズブランド系の墓石を見たら何か洗練されたものを私は感じます。
(あくまでもデザインだけを判断した場合ですが)
合わせ目がツラ、、、って分かりますか?
Aは従来的な石の合わせ方なんですがデザイナーズ系は従来型のように1寸か5分のチリがなくツラ合わせなんです。Bのような。
全く逃げが効きません。
言葉を言い換えれば設計図の寸法通り仕上げなくてはなりません。
この意味わかりますか?
石を切ります、8回ほど研磨します(だんだん細かくします)、その結果ピッタリの寸法になるでしょうか?
基本的にお墓の寸法は設計図よりもほんの僅かだけ大きいです。
1~2mm程度。
ピッタリな寸法にするには目地で調整するんでしょう。
ツラ合わせの場合、寸法を大きくすることはできませんから。
なのでデザイナーズ系のお墓で加工精度が悪い場合は目地が大きくなります。
デザイナーズ系は複数の石を貼り合わせたデザインも良く見かけられます。
「目地はどうなってるのかな?」って私はいつも思います。
デザイナーズブランド系のお墓の決め手は目地の大きさ!!!
下手な中国工場に任せるわけにはいきません。
色目の濃い石を使う
デザイナーズブランド系のお墓は「黒い石」が多く使われています。
もしG623で作ったらどうなるでしょうか?
あんまり洗練されたイメージにならないような気がします。
山西黒が使われない現在では黒い石のほとんどはインドの石を使われます。
数種類あるクンナムやインド黒と呼ばれる複数の石、Mシリーズの中の黒系の石など。
基本的に中国白御影石よりも高いです。
とにかくデザイナーズ系は白い石では話になりません。(真っ赤のニューインペは似合うと思います、とにかく白御影ではなく濃い色の石が似合います)
高い石を使うので価格が高くなるのも必然です。
デザイン料が加算される
まあ、当たり前ですよね。
デザイナーズブランドなんですから。
デザイン料は墓石販売価格に含まれています。
おそらく才単価の中に含まれていると思われます。
デザイン料が別だったら石材店はちょっとアレンジしてデザイナーズブランドから高い金払って購入などしませんよ。たぶん。
この業界はパクリ合戦なんですから。笑
デザイナーズブランド系のお墓は構造重視ではない
私はデザイナーズブランド系のデザインを見て構造を重視しているとは思えないんですよね。
構造を重視する私は墓石の部品が少なければ少ないほど良いと思っています。
接着剤をつかって合わせる箇所が少なければ少ないほど良いと思っています。
例えば基礎石一枚盤と巻き石の舞台、どう考えても圧倒的に基礎石一枚盤が優れています。
デザイナーズブランドの多くは石の接着面はツラ合わせで石の張り合わせ個所も多く感じられます。
私の目指すものではないんですよね。
ただオリジナル性は見事であるとは思います。
それに構造重視が融合されれば、、、販売価格は高くなると思いますけど。
インターロック社のデザイン墓が多く真似されたようにデザイナーズ系の墓石もこれからたくさんマネされていくんでしょうねえ。